2026年12月使用分から2027年2月使用分までの3か月間、国の電気・ガス料金支援(補助金)が再開されます。値引き単価は電気(低圧)が12月1.0円/kWh、1〜2月は4.5円/kWh、都市ガスが12月4円/㎥、1〜2月は18円/㎥で、政府は標準的な家庭で3か月計7,000円程度の負担減になると説明しています。一方で、ガソリンの補助金は12月から段階的に縮小され、基準価格が毎月5円ずつ引き上げられる方針です。この記事では、いつの請求からいくら安くなるのか、家庭ごとの目安、灯油・ガソリンへの影響まで、政府発表をもとに整理します。
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この記事でわかること
✓ 電気・ガス補助金が「いつの使用分」から「何月の請求」で安くなるか
✓ 月ごとの値引き単価(電気1円→4.5円、都市ガス4円→18円)と過去の支援との比較
✓ 使用量別に3か月でいくら安くなるかの目安(260kWh・400kWh・500kWhの家庭)
✓ 対象外になるケース(LPガス・一部プラン)と申請の要否
✓ ガソリン・灯油の補助縮小スケジュールと、冬の光熱費を抑える現実的な対策
結論・最新状況|12月〜2月の3か月、電気は1円→4.5円の値引きに
高市首相は2026年10月29日、首相官邸で記者団に対し、電気・ガス料金支援を12月使用分から2027年2月使用分まで実施すると表明しました。翌30日には赤澤経済産業相が閣議後会見で単価を説明し、資源エネルギー庁のサイトにも同じ内容が掲載されています。9月使用分で終わっていた夏の支援が、10〜11月使用分の空白をはさんで12月使用分から復活する形です。
| 使用月(反映される検針月) | 電気・低圧(家庭) | 電気・高圧 | 都市ガス |
|---|---|---|---|
| 2026年12月使用分(2027年1月検針分) | 1.0円/kWh | 0.5円/kWh | 4.0円/㎥ |
| 2027年1月使用分(2月検針分) | 4.5円/kWh | 2.3円/kWh | 18.0円/㎥ |
| 2027年2月使用分(3月検針分) | 4.5円/kWh | 2.3円/kWh | 18.0円/㎥ |
| 2027年3月使用分以降 | 「気候やエネルギー価格の動向を見極めて検討」(未定) | ||
※出典:資源エネルギー庁「エネルギー価格の支援について」(2026年10月29日)、経済産業相会見(10月30日、ガスエネルギー新聞)。都市ガスは家庭および年間契約量1,000万㎥未満の企業が対象。
12月は「つなぎ」の低い単価で、本格的な値引きは1〜2月使用分です。電気を月400kWh使う家庭なら、1月使用分だけで1,800円(4.5円×400kWh)の値引きになります。ガソリン補助の縮小と合わせて、政府は「より必要なところに税金を使う」方針に切り替えたと説明しています。
▶ 【2026年10月】電気・ガス補助金終了でいくら上がる?11月請求と冬の節約策
そもそも電気・ガス料金支援とは?申請は不要で、請求額から自動で引かれる
電気・ガス料金支援は、国が電力会社・都市ガス会社に補助金を出し、各社が使用量に応じた値引きを毎月の請求に反映させる仕組みです。2023年1月使用分から断続的に続いており、直近では2026年1〜3月使用分(冬)と7〜9月使用分(夏)に実施されました。
過去の実施では、利用者側の申請や手続きは一切不要で、電力会社が国の定めた単価を燃料費調整単価などに織り込んで計算しています。大手電力だけでなく、新電力や都市ガスの新規参入事業者も「支援に参加する事業者」として値引きを行う建て付けです。今回の12月使用分からの支援についても、資源エネルギー庁は同じ枠組みで案内しているため、利用者がすべきことは特になく、1月以降の検針票や明細で値引き額を確認するだけと考えてよいでしょう。
💡 ポイント
値引きは「使用月」単位で決まり、検針・請求は翌月です。12月使用分の値引きは2027年1月に届く検針票(または1月請求)に、1月使用分は2月、2月使用分は3月に反映されます。11月使用分(12月請求)には補助がないため、12月の請求が高く見えても間違いではありません。
対象外になるケースも押さえておきましょう。LPガス(プロパンガス)は国の値引きの対象ではなく、自治体が「重点支援地方交付金」を使って独自に支援する枠組みです(実施の有無・内容は自治体ごとに異なります)。また、電気は特別高圧で受電する事業者が対象外で、新電力の一部プランでは事業者の判断で値引きが適用されない場合があります。
▶ 【2026年最新】プロパンガス料金を見直して節約|平均価格・適正価格・乗り換え方法を徹底解説
いつから安くなる?使用月と検針月のスケジュール
「12月から補助」と聞くと12月の請求が安くなるように感じますが、実際に値引きが見えるのは2027年1月の検針分からです。検針日は地域や契約によって異なり、たとえば毎月15日検針の家庭なら「12月15日〜1月14日」の使用分が12月使用分として扱われることもあります。自分の検針日は検針票や電力会社のマイページで確認できます。
3月使用分以降については、経済産業相が「気候とエネルギー価格の動向を見極めて対応を検討する」と述べるにとどまっています。前回の冬(2026年1〜3月使用分)は3月分が1.5円/kWhに縮小されたため、今回も3月は「あっても小さい」と見ておくのが無難です。

家庭でいくら安くなる?使用量別の3か月の目安
値引き額は「単価×使用量」で決まるため、同じ3か月でも家庭によって差が出ます。政府は「標準的な家庭で約7,000円」と説明していますが、前提となる使用量は公表されていません。そこで、電力会社の平均モデルに近い家庭から、電気暖房を多く使う家庭まで、3つのパターンで編集部が試算しました。
東京電力の「平均モデル」(従量電灯B・30A・月260kWh)に都市ガス30㎥を組み合わせた家庭では、3か月の値引きは約3,800円です。月400kWh・ガス40㎥の家庭で約5,600円、月500kWh・ガス50㎥の家庭で約7,000円となり、冬に電気をよく使う家庭ほど恩恵が大きくなります。オール電化で電気を600kWh使う家庭なら、電気分だけで6,000円(1.0円×600+4.5円×600×2)の計算です。
| 実施時期 | 電気・低圧の単価(円/kWh) | 都市ガスの単価(円/㎥) | 政府説明の負担減(標準家庭) |
|---|---|---|---|
| 2025年1〜3月使用分 | 2.5/2.5/1.3 | 10/10/5 | — |
| 2025年7〜9月使用分 | 2.0/2.4/2.0 | 8/10/8 | — |
| 2026年1〜3月使用分 | 4.5/4.5/1.5 | 18/18/6 | 約7,000円 |
| 2026年7〜9月使用分 | 3.5/4.5/3.5 | 14/18/14 | 約5,000円 |
| 2026年12月〜2027年2月使用分(今回) | 1.0/4.5/4.5 | 4/18/18 | 約7,000円 |
※出典:経済産業省プレスリリース(2024年12月20日、2025年6月25日、2026年6月12日)、東京電力エナジーパートナー・関西電力の発表(2025年12月)、資源エネルギー庁(2026年10月29日)。政府説明の負担減は首相・経産相の発言および報道。
単価だけを見ると、1〜2月の4.5円/kWh・18円/㎥は前回の冬・夏のピークと同じ水準です。ただし12月分が1.0円と低いため、3か月の合計では前回の冬(4.5/4.5/1.5円)とほぼ同じか、使い方によってはやや少ない家庭もあると考えておくとよいでしょう。
なぜ今、支援が復活するのか|電気代は2か月連続で過去最高
背景にあるのは、中東情勢の悪化によるエネルギー価格の高止まりです。WTI原油は2026年10月下旬に1バレル100ドル前後で推移し、円相場も1ドル158円台まで円安が進みました(いずれも共同通信、10月20〜27日)。LNGや原油の調達コストが上がった結果、大手電力10社の標準家庭の電気料金は、10月使用分(11月請求)で全社が過去最高を更新し、11月使用分(12月請求)でも10社中7社が再び過去最高を更新しました。
| 会社 | 11月使用分(12月請求)の標準家庭料金 | 前月比 |
|---|---|---|
| 東京電力 | 9,738円 | +177円(過去最高) |
| 中部電力 | 9,920円 | +273円(10社で最大の上げ幅) |
| 沖縄電力 | 10,815円 | 10社で最も高い |
| 関西電力 | 8,251円 | 横ばい |
| 北陸電力 | 7,982円 | 10社で最も安い |
※出典:共同通信・時事通信(2026年10月29日)。各社の標準家庭モデルは使用量が異なるため、金額の単純比較はできません。都市ガス大手4社も188〜249円の値上がり。
さらに11月1日からは送配電網の利用料である託送料金の改定が重なり、北陸電力を除く大手9社で標準家庭の月254〜590円の負担増が始まっています。「補助ゼロ+燃料高+託送料金改定」が重なる11月使用分(12月請求)が、この冬で最も電気代が高く見える月になる可能性があります。
▶ 【2026年11月】託送料金改定で電気代はいくら上がる?大手9社の値上げ額と対策
ガソリン・灯油の補助は12月から縮小|基準価格が毎月5円ずつ上がる
電気・ガスの支援が手厚くなる一方で、ガソリン補助は縮小に向かいます。現在は「全国平均が1リットル170円程度を超えないよう、超過分を国が全額補助する」仕組みで、10月29日〜11月4日の補助単価は52.4円/Lと過去最高の水準です(資源エネルギー庁)。10月26日時点のレギュラー全国平均は170.1円でした。
高市首相は10月29日、「12月以降、原油価格の動向を注視しつつ、春先に向けて基準価格を毎月5円ずつ引き上げていくことを基本に対応する」と表明しました。経済産業省が10月30日に示した12月のスケジュールでは、駆け込み給油を防ぐために週ごとの小刻みな引き上げになっています。
12月3日の週に172円程度、12月10日の週に174円程度、12月17日以降は175円程度へと、12月は計5円の引き上げです。2027年1月以降については「原油価格の動向を見て判断する」とされ、首相方針どおり毎月5円ずつ上がれば1月180円・2月185円程度になりますが、1月以降の金額は10月31日時点で確定していません。なお、灯油・軽油・重油の補助はガソリンと同額で連動するため、灯油の店頭価格も同じペースで上がりやすくなります。
政府は10月30日、中東情勢等対応予備費から燃料油の補助に1兆1,459億円(12月使用分まで)を支出することを閣議決定しました。9月末までの補助支出はすでに1.2兆円を超えており、いまの原油水準が続けば月約4,000億円が必要になるとされています。補助縮小の判断には、この財政負担の大きさが背景にあります。
▶ 【2026年10月】ガソリン170円はいつまで?補助金50.7円の仕組みと節約術
▶ 【2026年冬】灯油18Lはいくら?補助金はいつまで・燃料代の目安と安く買う方法

補助があっても油断は禁物|冬の電気代を抑える現実的な対策
1〜2月の値引き4.5円/kWhは、電気料金単価(30円/kWh前後)の15%程度にあたります。裏を返せば、残りの85%は自分で払うため、使用量そのものを減らす工夫の効果は変わりません。暖房は「部屋全体はエアコン、体の近くは電気毛布やこたつ」の組み合わせが電気代の面では有利で、電気毛布は1時間あたり約1.6円、こたつは約5.6円が目安です(各社公式仕様×31円/kWhで計算)。
▶ 暖房器具の電気代比較|こたつ・電気毛布・エアコンは1時間いくら?
暖房の効きを左右するのは窓です。窓からの熱の流出は冬の暖房熱の5割程度を占めるといわれ、100均や量販店の断熱シート・厚手のカーテンで室温の低下を抑えると、エアコンの設定温度を1℃下げても体感が変わりにくくなります。設定温度を1℃下げると消費電力は約10%減るとされており、補助金とは別に「自分で作る値引き」になります。
✅ 12月までにやっておきたいこと
✓ 検針票かマイページで「検針日」と「契約プラン」を確認する(値引きの反映月を把握する)
✓ 新電力を使っている人は、契約先が電気・ガス料金支援に参加しているか公式サイトで確認する
✓ LPガスの家庭は、自治体のLPガス支援(重点支援地方交付金)の案内が出ていないか確認する
✓ 窓の断熱シート・厚手カーテン・電気毛布など、使用量を減らす備えを11月中に整える
✓ 車を使う人は、12月3日以降にガソリンが週ごとに上がる前提で給油のタイミングを考える
注意点|「約7,000円」が全員にあてはまるわけではない
⚠️ 注意
政府の「標準的な家庭で約7,000円」は前提となる使用量が公表されておらず、平均的な使用量の家庭では3,000〜4,000円台にとどまる計算になります。また、2027年3月使用分以降の支援は未定で、ガソリン・灯油は12月から段階的に値上がりします。補助があることを前提に暖房を増やすと、値引き分を使い切ってしまう可能性があります。
もう一つの注意点は、12月の請求(11月使用分)には補助がないことです。「補助が始まったのに高い」と感じる人が出やすいタイミングですが、補助の反映は1月の検針分からです。心配な場合は、電力会社のマイページで月ごとの使用量と燃料費調整額の推移を見ておくと、値引きが反映された月に差分がはっきり分かります。
よくある質問(FAQ)
Q1電気・ガスの補助金はいつからいつまでですか?
A2026年12月使用分から2027年2月使用分までの3か月間です。
請求に反映されるのは2027年1月検針分から3月検針分で、3月使用分以降は「状況を見て検討」とされ未定です。
Q2申請は必要ですか?
A過去の支援と同じ仕組みであれば、申請は不要で請求額から自動的に値引きされます。
電力会社・ガス会社が国の単価を料金計算に反映させるため、利用者は検針票や明細で値引き額を確認するだけです。
Q3新電力やガスの新規参入会社でも値引きされますか?
A支援に参加する事業者であれば値引きされますが、参加は事業者ごとの判断です。
過去の支援では新電力・新規ガス小売の多くが参加していました。契約先の公式サイトのお知らせで「電気・ガス料金支援」への対応を確認してください。
Q4プロパンガス(LPガス)は対象になりますか?
A国の値引きの対象は都市ガスのみで、LPガスは自治体ごとの支援に委ねられています。
重点支援地方交付金を使ったLPガス料金の支援を行う自治体がありますが、実施の有無や金額は地域によって異なります。
Q512月の電気代の請求が高いのはなぜですか?
A12月の請求は11月使用分で、補助がなく、燃料費の上昇と託送料金改定が重なっているためです。
大手10社の11月使用分は7社が過去最高を更新しました(東京電力は9,738円)。補助が反映されるのは1月検針分からです。
Q63か月で本当に7,000円安くなりますか?
A使用量によって変わり、平均的な家庭では3,000〜4,000円台、電気・ガスを多く使う家庭で7,000円前後が目安です。
月260kWh・ガス30㎥で約3,800円、月500kWh・ガス50㎥で約7,000円という編集部試算です。政府の「約7,000円」は前提の使用量が公表されていません。
Q7ガソリンは12月からいくら上がりますか?
A政府が価格を抑える基準が12月中に170円から175円程度へ、計5円引き上げられます。
12月3日の週172円、10日の週174円、17日以降175円程度の予定です。2027年1月以降は原油価格をみて判断するとされ、未確定です。
Q8灯油も値上がりしますか?
A灯油・軽油の補助はガソリンと同額で連動するため、同じペースで値上がりしやすくなります。
10月26日時点の灯油の店頭価格は全国平均143.3円/Lでした。暖房用に買う人は、12月以降は週ごとの価格を見ながら早めに確保するのが無難です。
結論|冬の電気・ガス補助金はここを押さえる
支援は12月〜2月使用分、反映は1月検針から
2026年12月使用分から2027年2月使用分までの3か月で、値引きが見えるのは2027年1月検針分から。3月分以降は未定。
単価は電気1円→4.5円、都市ガス4円→18円
12月はつなぎの低い単価で、1〜2月使用分は電気4.5円/kWh・都市ガス18円/㎥と前回の冬のピークと同じ水準になる。
3か月の値引きは家庭によって約3,800〜7,000円
月260kWh・ガス30㎥の家庭で約3,800円、月500kWh・ガス50㎥で約7,000円という編集部試算で、使用量が多いほど恩恵が大きい。
申請不要、LPガスは対象外
電力・ガス会社が請求から自動で値引きする仕組みで、LPガスは自治体の支援に委ねられ、新電力は参加の有無を要確認。
ガソリンは12月に基準価格が175円へ
12月3日の週から週ごとに上がり12月17日以降は175円程度に。灯油も連動し、2027年1月以降は未確定。
まとめ

✅ この記事のまとめ
✔ 値引きが見えるのは1月の検針票から12月の請求(11月使用分)には補助がないので慌てない。
✔ 本番は1〜2月使用分の4.5円/kWh・18円/㎥12月分は1円/kWhのつなぎで、3月以降は未定。
✔ 自分の家の値引き額は「単価×使用量」で計算できる検針票の使用量に1.0円・4.5円・4.5円を掛ければ目安が出る。
✔ LPガスと一部の新電力は対象外の可能性自治体の支援や契約先のお知らせを確認する。
✔ ガソリン・灯油は12月から段階的に値上がり補助の縮小分は、使用量を減らす工夫でカバーする。
冬の電気・ガス補助は「申請不要・自動値引き」なので、手続きを心配する必要はありません。ただし値引きの大きさは家庭ごとに違い、3月以降の支援も未定です。まずは直近の検針票で自分の家の月の使用量を確認し、4.5円を掛けて1〜2月に戻ってくる金額の目安を把握しておきましょう。
※この記事は2026年10月31日時点の政府発表(首相発言10月29日、資源エネルギー庁、経済産業相会見10月30日)・経済産業省の過去のプレスリリース・共同通信/時事通信の報道をもとに作成しています。値引き単価・期間・ガソリンの基準価格は今後変更される可能性があります。実際の値引き額は契約プラン・使用量・検針日によって異なるため、お住まいの電力会社・ガス会社の案内でご確認ください。