2026年夏の「電気・ガス料金支援」は9月使用分(10月検針分)で終わり、10月使用分=11月に届く請求から値引きがなくなります。電気260kWh・都市ガス30㎥の標準的な家庭では、値引き分だけで月1,300円前後の負担増に相当し、燃料費調整額の上昇が重なれば上げ幅はさらに広がる可能性があります。この記事では、補助の中身と終了時期、世帯別にいくら上がるかの目安、冬に向けて今からできる光熱費対策を、経済産業省・資源エネルギー庁の資料をもとに整理します。
この記事でわかること
✓ 2026年夏の電気・ガス補助金の対象月と値引き単価
✓ 補助が消えるのは「10月使用分=11月請求分」から
✓ 世帯の使用量別に、いくら上がるかの計算例
✓ 冬の補助金は決まっているのか(9月時点の状況)
✓ 暖房シーズン前にできる節約策と、契約切り替えの注意点
結論・最新状況|補助は9月使用分まで、11月請求から「実質値上げ」
経済産業省が2026年6月12日に公表した「電気・ガス料金支援」は、2026年7月・8月・9月使用分の3か月を対象に、電気とガスの料金を単価ベースで値引きする仕組みです。電気は検針のタイミングの関係で「使用月の翌月」に請求されるため、9月使用分の値引きは10月検針分に反映され、10月使用分(11月検針・請求分)からは値引きがなくなります。
| 使用月(検針・請求月) | 電気(低圧・家庭用) | 電気(高圧) | 都市ガス |
|---|---|---|---|
| 7月使用分(8月検針) | 3.5円/kWh 値引き | 1.8円/kWh 値引き | 14.0円/㎥ 値引き |
| 8月使用分(9月検針) | 4.5円/kWh 値引き | 2.3円/kWh 値引き | 18.0円/㎥ 値引き |
| 9月使用分(10月検針) | 3.5円/kWh 値引き | 1.8円/kWh 値引き | 14.0円/㎥ 値引き |
| 10月使用分(11月検針)以降 | 値引きなし | 値引きなし | 値引きなし |
出典:経済産業省「電気・ガス料金支援」(2026年6月12日)、資源エネルギー庁 特設ページ(2026年9月時点)。財源は令和8年度予備費5,135億円で、政府は「標準的な家庭で3か月あわせて5,000円程度」の負担軽減と説明していました。
なお、2026年9月26日時点で、この冬(2027年1〜3月使用分など)の電気・ガス補助について政府の正式な発表はありません。過去には冬季にも支援が実施された年がありますが、現時点では「未定」として家計を組み立てるのが安全です。
そもそも今回の補助金は何だったのか|中東情勢による燃料高が背景
2026年の電気・ガス料金支援は、中東情勢の緊迫化で原油やLNG(液化天然ガス)の輸入価格が上がり、それが数か月遅れで電気・ガス料金の「燃料費調整額」「原料費調整額」に反映されていく見込みだったことを受けた措置です。首相は2026年5月25日の会見で、使用量が多くなる7〜9月に電気・ガス料金への支援を行うと表明し、6月の補正予算成立を経て6月12日に特例認可されました。
値引きは電力会社・ガス会社が国の補助を受けて請求額から差し引く形で行われるため、家庭側の申請は不要でした。裏を返せば、終了時も特別な手続きはなく、11月の請求からそのまま値引き分が消えることになります。
いくら上がる?世帯の使用量別の計算例
補助終了による負担増は「9月使用分の値引き単価×使用量」で計算できます。大手電力の平均モデル(従量電灯B・30A・月260kWh)と、東京ガスの標準家庭(月30㎥)を前提にすると、次のとおりです。
| 世帯の目安 | 電気の使用量 | 都市ガスの使用量 | 消える値引き額(月) |
|---|---|---|---|
| 一人暮らし・二人世帯 | 260kWh | 30㎥ | 910円+420円=約1,330円 |
| 2〜3人世帯 | 350kWh | 30㎥ | 1,225円+420円=約1,645円 |
| 4人世帯 | 400kWh | 30㎥ | 1,400円+420円=約1,820円 |
| 4人以上・使用量多め | 500kWh | 50㎥ | 1,750円+700円=約2,450円 |
計算式は「電気:3.5円×使用量(kWh)」「都市ガス:14.0円×使用量(㎥)」です。プロパンガス(LPガス)は今回の都市ガス向け値引きの対象外で、別枠の支援やガス会社ごとの料金体系によって扱いが異なります。
注意したいのは、上の金額が「補助が消える分」だけを表している点です。実際の11月請求額は、これに燃料費調整額の変動が加わります。大手電力の10月分(9月使用分)は、補助の縮小と燃料費調整の上昇が重なり10社すべてで値上がりしたと報じられており、11月分の単価は例年9月末ごろに各社から公表されます。11月分の正式な金額は、各社の発表後に検針票やマイページで確認してください。
▶ 【2026年最新】プロパンガス料金を見直して節約|平均価格・適正価格・乗り換え方法を徹底解説
電気代の内訳と、これから動く項目・動かない項目
家庭の電気料金は、おおまかに「基本料金+電力量料金(燃料費調整額を含む)+再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」で構成されます。補助金は電力量料金の単価から差し引かれていたため、終了の影響は使用量に比例します。
- 燃料費調整額(動く):原油・LNG・石炭の輸入価格を3〜5か月遅れで反映します。2026年は7月ごろから上昇傾向とされ、冬にかけても中東情勢や為替の影響を受ける可能性があります。
- 再エネ賦課金(当面動かない):2026年度の単価は4.18円/kWh(前年度比+0.20円)で、2026年5月検針分から2027年4月検針分まで同じ単価が続きます。経済産業省の試算では、月400kWhの世帯で月1,672円、年間20,064円の負担です。
- 託送料金(見直しの動きあり):送配電網の利用料にあたる託送料金について、東京電力パワーグリッドが収入見通しの変更承認を申請しています。家庭への影響額は現時点で確定していません。
つまり、11月請求で上がる要因は「補助の消滅」と「燃料費調整額」の2つで、再エネ賦課金は年度内は一定です。検針票で電力量料金と燃料費調整額の欄を前月と比べると、何が上がったのかを把握しやすくなります。
▶ 【2026年10月値上げ一覧】食品・たばこ・日用品で値上げが予定・懸念される商品まとめ
冬の光熱費を抑える対策|暖房シーズン前にやっておくこと
補助が終わり、暖房で使用量が増える冬は、光熱費が年間で最も高くなりやすい時期です。資源エネルギー庁の「省エネポータルサイト」が示す目安(電気31円/kWh、暖房期間169日などの条件で試算)を中心に、効果が数字で示されている対策を整理します。

| 対策 | 年間の節約目安(資源エネルギー庁試算) | ポイント |
|---|---|---|
| エアコン暖房の設定温度を21℃→20℃ | 約1,650円(53.08kWh) | 体感は着衣や加湿で補う |
| エアコン暖房を1日1時間短縮 | 約1,260円(40.73kWh) | 就寝前・外出前に早めに切る |
| エアコンのフィルター掃除(月1〜2回) | 約990円(31.95kWh) | 暖房シーズン前に一度実施 |
| 電気カーペットを「強」→「中」 | 約5,770円(185.97kWh) | 断熱マットを下に敷くと効率が上がるとされる |
| 電気こたつを「強」→「中」 | 約1,520円(48.95kWh) | 上掛けを重ねて保温 |
| ガスファンヒーターの設定温度を21℃→20℃ | 約1,320円(8.15㎥) | 都市ガス162円/㎥での試算 |
1. 「暖める範囲」を小さくする
部屋全体を暖めるエアコンやファンヒーターに対し、電気毛布・こたつ・電気ひざ掛けなどは体の周りだけを暖めるため、一般に消費電力が小さいとされています。在宅ワークや就寝時など、動かない時間帯はこうした局所暖房に切り替えると、エアコンの稼働時間を減らしやすくなります。
2. 窓からの熱の逃げを減らす
冬の暖房時、室内の熱の多くは窓から逃げるといわれています。厚手のカーテンを床まで届く長さにする、断熱シートやプチプチ状の窓用シートを貼る、隙間テープでサッシの隙間をふさぐといった対策は、数百円〜数千円で始められます。設定温度を上げる前に、まず窓まわりを見直すのが順番としては合理的です。
3. 契約プランと電力会社を見直す
使用量が多い世帯ほど、料金プランの見直し効果は大きくなります。ただし、燃料費調整額に上限がないプランや市場連動型プランは、燃料価格が高騰した局面で請求が大きく増えるリスクがあります。東京電力エナジーパートナーも「燃料価格が高騰する場合には、燃料費調整額が大幅に増加する可能性があります」と注記しています。切り替える際は、基本料金や単価だけでなく、燃料費調整の仕組みまで比較してください。
▶ 【2026年最新】値上げラッシュ対策|年間10万円節約する方法と今すぐできる節約術10選
4. 古いエアコンは「買い替え時期」も検討材料に
10年以上前のエアコンは、最新機種と比べて消費電力が大きい傾向があります。2027年度からの省エネ基準の見直しでエアコン価格の上昇が見込まれていることもあり、買い替えを考えている家庭は、暖房シーズン本番前の需要が落ち着いている時期に検討するという考え方もあります。
▶ 【2027年エアコン問題】値上げはいつから?買い替え判断と3万円安く買う方法を徹底解説
注意点|「補助金が終わるので切り替えを」という勧誘に要注意

補助金の終了や値上げのニュースが出る時期は、電気・ガス契約の切り替えを勧める訪問販売や電話勧誘が増えやすいといわれています。国民生活センターは、若年層では訪問販売によるトラブルが約8割を占め、管理会社の委託を装う事例もあると注意喚起しています。
- 料金プランの説明を受けたうえで検討し、契約の意思がなければはっきり断る
- 切り替える意思がない段階で、検針票に記載された「供給地点特定番号」や「お客さま番号」を伝えない
- 契約してしまった場合でも、クーリング・オフなどができる場合がある。困ったときは消費者ホットライン「188」へ
- 「必ず安くなる」「今だけ」といった説明は、燃料費調整の条件まで確認してから判断する
また、補助金の終了は「請求書の見方を確認するタイミング」でもあります。11月の請求で急に金額が増えたと感じたら、まず使用量(kWh・㎥)が前年同月と比べてどう変わったか、次に燃料費調整額の欄がどう動いたかを確認すると、値上がりの原因を切り分けられます。
▶ 節約術の基本|誰でもできる節約テクニック20選【月2万円貯金する方法】
よくある質問(FAQ)
Q1. 補助金がなくなるのは何月の請求からですか?
A. 10月使用分、つまり多くの家庭では11月に届く検針票・請求からです。10月に届く請求(9月使用分)までは3.5円/kWh・14.0円/㎥の値引きが入っています。
Q2. 家庭側で何か手続きは必要ですか?
A. 不要です。値引きは電力会社・ガス会社が請求時に反映していたため、終了時も自動的に値引きがなくなるだけです。
Q3. この冬(2027年1〜3月)の補助金はありますか?
A. 2026年9月26日時点で政府の正式な発表はありません。今後、物価や燃料価格の動向次第で追加の支援が検討される可能性はありますが、現時点では未定です。
Q4. プロパンガス(LPガス)も値引きされていましたか?
A. 今回の都市ガス向けの値引き(円/㎥)はプロパンガスには適用されていません。プロパンガスは販売店ごとの自由料金のため、料金水準の確認と見直しが節約の中心になります。
Q5. 再エネ賦課金も上がりますか?
A. 2026年度の単価4.18円/kWhは、2027年4月検針分まで変わりません。次の改定は2027年度分として例年3月ごろに公表されます。
Q6. オール電化の家庭は影響が大きいですか?
A. 電気の使用量に比例して値引きが入っていたため、使用量が多いオール電化世帯ほど消える値引き額は大きくなります。月500kWhなら3.5円×500kWh=1,750円が目安です。
Q7. 電力会社を切り替えれば補助終了分を取り戻せますか?
A. プランによっては安くなる可能性がありますが、燃料費調整額に上限がないプランでは燃料高の局面で逆に高くなることもあります。単価だけでなく燃料費調整の条件を比べて判断してください。
結論|電気・ガス補助金終了で押さえておきたいこと
- 2026年夏の電気・ガス料金支援は9月使用分(10月検針分)で終了し、10月使用分=11月請求から値引きがなくなります。
- 消える値引き額は「電気3.5円×kWh」「都市ガス14.0円×㎥」で計算でき、標準的な家庭で月1,300円前後、使用量の多い世帯で2,000円台が目安です。
- 11月請求は燃料費調整額の動きも加わるため、上げ幅は補助終了分より大きくなる可能性があります。各社の11月分単価は9月末ごろに公表されます。
- 冬の補助金は2026年9月時点で未定のため、設定温度・局所暖房・窓の断熱など、自分でできる対策を暖房シーズン前に済ませておくのが現実的です。
- 補助終了に便乗した切り替え勧誘には注意し、検針票の情報を安易に伝えないようにしましょう。
まとめ
- 補助金の終了は11月請求から。家庭側の手続きはなく、値引き分がそのまま上乗せになります。
- 負担増の目安は使用量に比例するため、まず自宅の月間使用量(kWh・㎥)を検針票で把握するのが第一歩です。
- 資源エネルギー庁の試算では、設定温度1℃・使用時間1時間・フィルター掃除だけでも年間数千円の差が出ます。
- 電力会社やプランの切り替えは、燃料費調整の仕組みまで確認したうえで判断しましょう。
物価高が続く中で、光熱費は「使い方」と「契約」の両方で調整できる数少ない固定費です。11月の請求が届く前に、できる対策から一つずつ始めてみてください。
※この記事は2026年9月時点の情報(経済産業省「電気・ガス料金支援」2026年6月12日発表、資源エネルギー庁 特設ページ・省エネポータルサイト、経済産業省 再エネ賦課金単価 2026年3月19日発表、東京電力エナジーパートナー・東京ガスの料金案内、国民生活センターの注意喚起など)をもとに作成しています。11月分以降の電気・ガス料金や今後の支援策は、各社・政府の発表により変わる可能性があります。金額はいずれも概算の目安であり、実際の請求額は契約内容や使用量によって異なります。