2026年(令和8年分)の年末調整で勤務先に出す申告書は、「扶養控除等(異動)申告書」「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」「保険料控除申告書」の3枚が基本です。今年は基礎控除の計算欄が変わり、配偶者・扶養親族の所得要件も62万円に引き上げられたため、前年の控えを写すと金額を間違えやすくなっています。この記事では、国税庁の様式と記載例をもとに、3枚の申告書を上から順に埋めていく手順と、今年だけの注意点を整理します。
この記事でわかること
✓ 令和8年分の年末調整で提出する3枚の申告書と、誰がどれを書くか
✓ 基礎控除申告書の書き方(年収→所得→基礎控除額の順に計算する手順)
✓ 配偶者控除・特定親族特別控除の判定ラインと控除額の早見
✓ 保険料控除申告書の書き方(新旧契約の区分・23歳未満の扶養親族の欄・添付書類)
✓ よくある記入ミスと、年末調整ではできず確定申告が必要な控除
結論・最新状況|令和8年分は「3枚+住宅ローンの人は1枚」、変更点は4つ
年末調整の申告書は、国税庁が毎年様式を公表しています。令和8年分の様式と記載例はすでに国税庁サイトで公開されており、勤務先から配られる用紙もこれと同じものです。令和8年分で前年から変わった点は、①基礎控除の引き上げ、②給与所得控除の最低保障額の引き上げ(65万円→74万円)、③配偶者・扶養親族の所得要件の引き上げ(58万円→62万円)、④23歳未満の扶養親族がいる人の生命保険料控除の特例の4つです(国税庁「昨年と比べて変わった点」)。
改正そのものの内容や「いくら戻るか」は別記事で解説しているので、ここでは「どの用紙の、どの欄に、何を書くか」に絞って進めます。
| 申告書 | 誰が書く | 主な記入内容 | 添付するもの |
|---|---|---|---|
| ①扶養控除等(異動)申告書 | 全員(令和8年分は変更がある人、令和9年分は全員) | 配偶者・扶養親族の氏名・生年月日・所得の見積額、障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生 | 原則なし |
| ②基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書 | 全員(基礎控除を受けるため) | 自分の年収と所得の見積額、基礎控除額、配偶者の所得と控除額、19〜22歳の子の所得と控除額 | 原則なし |
| ③保険料控除申告書 | 生命保険・地震保険・国民年金・iDeCoなどを自分で払っている人 | 保険料の金額と控除額の計算、23歳未満の扶養親族の有無 | 控除証明書(生命保険・地震保険・国民年金・iDeCo) |
| ④住宅借入金等特別控除申告書 | 住宅ローン控除2年目以降の人 | 年末残高・控除額 | 年末残高証明書(調書方式は不要) |
出典:国税庁「各種様式・記載例(年末調整)」「令和8年分 年末調整のしかた」(2026年10月時点)
▶ 【2026年】年末調整で何が変わる?基礎控除104万円・保険料控除6万円特例
書く前に準備するもの|提出時期と手元に用意する書類
年末調整の申告書は、法令上は「その年最後の給与を受ける日の前日まで」に出せばよいことになっていますが、実際の締切は勤務先が決めます。給与計算ソフト各社の調査では、用紙の配布が10月中旬〜下旬、提出期限は10月下旬〜11月下旬に設定する会社が多いとされています。精算は12月の給与や賞与で行われ、払いすぎていれば還付、不足していれば追加で徴収されます。
書き始める前に、次のものを手元にそろえておくと一度で書き終えられます。生命保険料控除証明書は、各社とも10月中旬ごろから契約住所あてに届き始めます。紛失した場合は保険会社に再発行を依頼でき、契約者向けサイトから電子データ(XML)を取得できる会社も増えています。
✅ 記入前にそろえるもの
✓ 自分の今年の年収見込み(直近の給与明細・賞与明細、前年の源泉徴収票が目安)
✓ 配偶者・扶養親族の今年の収入見込み(パート収入・年金額など)
✓ 生命保険料・地震保険料の控除証明書(10月中旬ごろ到着)
✓ 自分で払った国民年金保険料の控除証明書、iDeCoの「小規模企業共済等掛金払込証明書」
✓ 住宅ローン控除2年目以降の人は、税務署から届いた申告書と金融機関の年末残高証明書
✓ マイナンバー(本人・配偶者・扶養親族。勤務先の指示がある場合)
なお、2021年4月以降、年末調整の申告書に押印欄はなく、印鑑は不要です。書き損じは二重線で訂正し、修正液や修正テープは使わないのが一般的な扱いとされています。

①扶養控除等(異動)申告書の書き方|令和8年分と令和9年分の2枚
扶養控除等(異動)申告書は、配偶者や扶養親族の情報を勤務先に伝える書類です。本来は年の最初の給与日の前日までに出すもので、多くの会社では年末調整の時期に令和9年分(来年の給与計算用)を全員に配り、令和8年分は内容に変更(異動)があった人だけ訂正して出し直す運用になっています。
令和8年分で注意したいのは、所得要件の引き上げです。配偶者控除や扶養控除の対象になる家族の合計所得は「58万円以下」から62万円以下(給与収入だけなら136万円以下)に広がりました。これまで年収が少し超えて扶養に入れられなかった家族が新たに対象になる場合は、令和8年分の用紙に追記し、「異動月日及び事由」欄に「令和8年12月1日 改正」のように書くと案内されています(国税庁「基礎控除の引上げ等関係Q&A」)。
19歳以上23歳未満(平成16年1月2日〜平成20年1月1日生まれ)の子については、合計所得62万円以下なら「控除対象扶養親族(特定扶養親族)」としてこの用紙に、62万円超123万円以下なら「特定親族」として②の申告書に書きます。どちらに書くかで控除の種類が変わるので、子のアルバイト収入の見込みを先に確認しておきましょう。
💡 ポイント
申告書に書く家族の収入は「年収」ではなく「所得」です。パート収入だけの配偶者なら、収入から給与所得控除(令和8年分は最低74万円)を引いた額が所得になります。たとえば年収130万円なら所得は56万円で、62万円以下なので配偶者控除の対象です。
②基礎控除申告書の書き方|年収→所得→控除額の順に埋める
令和8年分でもっとも間違えやすいのがこの用紙です。「給与所得者の基礎控除申告書」「配偶者控除等申告書」「特定親族特別控除申告書」「所得金額調整控除申告書」の4つが1枚にまとまっており、まず自分の所得を計算し、その結果を使って配偶者や子の控除を判定する構造になっています。上から順に、次の3ステップで進めます。
ステップ1:今年の給与収入の見込みから「給与所得」を計算する
左上の「あなたの本年中の合計所得金額の見積額の計算」欄に、今年1年の給与収入の見込み(賞与を含む)を書き、用紙裏面の速算表で給与所得を求めます。令和8年分は給与所得控除の最低保障額が74万円に上がったため、年収219万円までの計算式が前年と違います。
| 給与の収入金額(ⓐ) | 給与所得の金額 |
|---|---|
| 74万999円以下 | 0円 |
| 74万1,000円〜219万999円 | ⓐ − 74万円 |
| 219万1,000円〜219万9,999円 | 145万1,000円〜145万6,000円(様式の表で確認) |
| 220万円〜359万9,999円 | (ⓐ÷4、千円未満切り捨て)× 2.8 − 8万円 |
| 360万円〜659万9,999円 | (ⓐ÷4、千円未満切り捨て)× 3.2 − 44万円 |
| 660万円〜849万9,999円 | ⓐ × 90% − 110万円 |
| 850万円以上 | ⓐ − 195万円(所得金額調整控除がある人はさらに差し引く) |
出典:国税庁「令和8年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 …」裏面の速算表(令和8・9年分)
たとえば年収500万円なら、500万円÷4=125万円、125万円×3.2=400万円、400万円−44万円=356万円が給与所得です(当サイト計算)。副業や不動産収入などがあれば、その所得も合計して「合計所得金額の見積額」とします。
ステップ2:合計所得から「基礎控除額」と「区分Ⅰ」を判定する
求めた合計所得の見積額を「控除額の計算」欄の表に当てはめ、該当する行にチェックを付けて基礎控除額を書き写します。令和8年分の金額は次のとおりで、前年(95万・88万・68万・63万・58万円)とはすべて異なります。
同じ表で、本人の合計所得が900万円以下ならA、900万円超950万円以下ならB、950万円超1,000万円以下ならCの区分Ⅰも決まります。この区分は次の配偶者控除・配偶者特別控除の金額を決めるのに使うので、該当する記号を「区分Ⅰ」欄に書いておきます。年収500万円(所得356万円)の例なら、基礎控除は104万円、区分ⅠはAです。
なお、年末調整で使うのは所得税の基礎控除です。住民税の基礎控除(43万円)は今回の改正の対象外で、申告書に書く必要もありません。
ステップ3:配偶者・19〜22歳の子・所得金額調整控除の欄を埋める
配偶者がいる人は、配偶者の今年の収入見込みから同じ速算表で所得を計算し、「区分Ⅱ」を判定します。配偶者の合計所得が62万円以下なら配偶者控除、62万円超133万円以下なら配偶者特別控除の対象で、本人の区分Ⅰと組み合わせて控除額が決まります。本人の合計所得が1,000万円を超える人は、配偶者控除・配偶者特別控除のどちらも受けられません。
| 配偶者の合計所得(給与収入だけの目安) | 区分Ⅱ | 本人がA(所得900万円以下)の控除額 |
|---|---|---|
| 62万円以下(136万円以下) | ①70歳以上/②70歳未満 | 48万円(①)/38万円(②) |
| 62万円超95万円以下(136万円超169万円以下) | ③ | 38万円 |
| 95万円超100万円以下 | ④ | 36万円 |
| 100万円超105万円以下 | 31万円 | |
| 105万円超110万円以下 | 26万円 | |
| 110万円超115万円以下 | 21万円 | |
| 115万円超120万円以下 | 16万円 | |
| 120万円超125万円以下 | 11万円 | |
| 125万円超133万円以下(〜207万円以下) | 6万円(130万円超133万円以下は3万円) |
出典:国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」配偶者控除額及び配偶者特別控除額の一覧表。本人がB・Cの場合は控除額が小さくなります(様式の表で確認)
19歳以上23歳未満の子で合計所得が62万円超123万円以下(給与収入136万円超197万円以下)の人がいる場合は、「特定親族特別控除申告書」欄に子の氏名・所得の見積額を書きます。控除額は子の所得が85万円以下なら63万円で、所得が5万円増えるごとに61万→51万→41万→31万→21万→11万→6万→3万円と段階的に減ります(国税庁「特定親族特別控除額の表」)。
一番右の「所得金額調整控除申告書」欄は、給与収入が850万円を超え、かつ23歳未満の扶養親族がいる人、本人や家族が特別障害者に当たる人だけが記入します。該当すれば(収入−850万円)×10%、最高15万円が給与所得から差し引かれます。年収850万円以下の人は空欄のままで問題ありません。
▶ 【2026年最新】106万円の壁は週20時間の壁へ?130万円の壁との違い・手取りの考え方を解説
③保険料控除申告書の書き方|証明書の区分どおりに転記する
保険料控除申告書は、生命保険料・地震保険料・自分で払った社会保険料・iDeCoなどの掛金を申告する用紙です。基本は控除証明書に書かれた「新・旧」「一般・介護医療・個人年金」の区分と金額を、そのまま該当欄に書き写すことで、自分で区分を判断したり振り替えたりはしません。証明書に「申告額」や「12月末までの払込見込額」がある場合は、その年間見込額を使います。
生命保険料控除:新契約・旧契約を分けて計算する
生命保険料控除は、一般生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料の3区分に分かれ、さらに2012年1月1日以後の契約は「新契約」、2011年12月31日以前の契約は「旧契約」として別の計算式を使います。用紙の下にある計算式に年間保険料を当てはめ、区分ごとの控除額を出して合計します。
| 計算式 | 対象 | 年間保険料と控除額 |
|---|---|---|
| 計算式Ⅰ | 新契約の一般・介護医療・個人年金 | 2万円以下:全額/2万円超4万円以下:×1/2+1万円/4万円超8万円以下:×1/4+2万円/8万円超:一律4万円 |
| 計算式Ⅱ(令和8・9年分の特例) | 23歳未満の扶養親族がいる人の新契約の一般生命保険料 | 3万円以下:全額/3万円超6万円以下:×1/2+1万5,000円/6万円超12万円以下:×1/4+3万円/12万円超:一律6万円 |
| 計算式Ⅲ | 旧契約の一般・個人年金 | 2万5,000円以下:全額/2万5,000円超5万円以下:×1/2+1万2,500円/5万円超10万円以下:×1/4+2万5,000円/10万円超:一律5万円 |
出典:国税庁「令和8年分 給与所得者の保険料控除申告書」。新旧両方ある区分は、新・旧・合計(上限4万円、特例時は6万円)のうち最も大きい額。3区分の合計は最高12万円
令和8年分の用紙には「年齢23歳未満の扶養親族の有無」欄が新設されました。該当する人は「有」に印を付け、☆欄に扶養親族の氏名・生年月日(平成16年1月2日以後生まれ)・所得の見積額・続柄を書いたうえで、一般生命保険料(新契約)だけ計算式Ⅱを使います。介護医療保険料と個人年金保険料は特例の対象外で、3区分合計の上限も12万円のまま変わりません。
地震保険料控除・社会保険料控除・iDeCoの掛金
地震保険料は支払額の全額(上限5万円)が控除になります。2006年末までに契約した旧長期損害保険料がある場合は、1万円以下は全額、1万円超2万円以下は×1/2+5,000円、2万円超は1万5,000円で、地震保険料との合計で5万円が上限です。1つの契約が両方に当てはまるときは、どちらか一方を選びます。
社会保険料控除の欄には、給与から天引きされている健康保険料や厚生年金保険料は書きません(勤務先が集計します)。書くのは、自分や家族の国民年金保険料・国民健康保険料・国民年金基金の掛金など、自分で直接払ったものです。このうち国民年金保険料と国民年金基金の掛金は控除証明書の添付が必要で、国民健康保険料は証明書なしで金額を記入できます。
iDeCoの掛金は「小規模企業共済等掛金控除」の欄に、国民年金基金連合会から届く払込証明書の金額を書き、証明書を添付します。給与天引きで払っている人は記入不要です。

生命保険料・地震保険料の控除証明書は、旧契約の一般生命保険料で年間9,000円以下のものを除き、金額にかかわらず添付または提示が必要です。証明書の到着が提出に間に合わない場合は、翌年1月末日までに提出することを条件に控除を受けられるとされているので、勤務先の担当者に事情を伝えておきましょう。
▶ 生命保険料の平均はいくら?年収別・家族構成別の適正保険料【2026年版】
電子で済ませる方法|年調ソフトと控除証明書の電子データ
勤務先が対応していれば、紙に手書きしなくても済む方法があります。国税庁の年調ソフト(年末調整控除申告書作成用ソフトウェア)は、令和8年分の正式版が2026年10月1日に公開され、パソコン版とスマホアプリ版が無料で使えます。保険会社から取得した電子データ(XML)を読み込めば控除額が自動計算され、作成した申告書をデータのまま勤務先に提出できます。
電子データでの控除証明書の発行には、生命保険会社41社中36社(契約件数ベースで約98.5%)、地震保険を扱う損保19社中14社が対応しています(国税庁、2025年時点)。マイナポータル連携を使えば、複数の証明書をまとめて取得することも可能です。勤務先が紙での提出を求めている場合は、国税庁の「QRコード付証明書等作成システム」で電子データを印刷した書面でも提出できます。
💡 ポイント
年調ソフトで作った申告書は、国税庁の紙様式と見た目が違いますが法令上は問題ないとされています。ただし「電子で受け取れるか」「紙で出すか」は勤務先の運用次第なので、使う前に総務・人事に確認してください。
よくある記入ミスと注意点|前年の控えをそのまま写さない
給与計算ソフト各社や社会保険労務士の解説で繰り返し指摘されているミスは、ほとんどが「数字の種類の取り違え」と「書類の添付漏れ」です。特に今年は金額の基準が動いているため、前年の申告書の控えを見ながら同じ数字を書くと、基礎控除額や扶養の判定を誤りやすくなります。
⚠️ 注意
令和8年分の基礎控除額は104万・67万・62万円で、前年の95万・88万・68万円とは別の数字です。配偶者・扶養親族の所得要件も「58万円以下」ではなく「62万円以下」で判定します。また、扶養控除等申告書に配偶者や19〜22歳の子を書いただけでは配偶者控除・特定親族特別控除は適用されず、②の申告書への記入が別途必要です(国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」)。
そのほか、よくあるつまずきは次のとおりです。配偶者や子の「年収」を所得欄にそのまま書いてしまう。生命保険の新旧区分を自分で判断して証明書と違う欄に書く。国民年金の証明書を付け忘れる。共働きの夫婦が同じ子を両方の申告書に書く(扶養親族は一方でしか申告できません)。寡婦・ひとり親・勤労学生に当てはまるのにチェックを忘れる。いずれも、証明書と記載例を手元に置いて一つずつ確認すれば防げるものです。
提出後に間違いに気づいた場合も、翌年1月の源泉徴収票を受け取る前であれば、勤務先に申し出て再計算してもらえる扱いが国税庁のQ&Aで示されています。源泉徴収票の交付後は、自分で確定申告(還付申告)をして直すことになります。
年末調整でできないこと|確定申告が必要な控除
年末調整は便利な仕組みですが、すべての控除を処理できるわけではありません。医療費控除、ふるさと納税などの寄附金控除(ワンストップ特例を使う場合を除く)、住宅ローン控除の1年目、災害や盗難による雑損控除は、年末調整の対象外で、翌年に確定申告をして控除を受けます。令和8年分の確定申告期間は2027年2月16日(火)〜3月15日(月)で、還付のための申告はそれより前から提出できます。
ふるさと納税については注意点があります。ワンストップ特例を申請していても、医療費控除などで確定申告をすると特例は無効になり、寄附金控除を申告書に書き直す必要があります。年末調整で書き忘れた生命保険料控除なども、確定申告で申告し直すことができます。
▶ 【2026年10月】ふるさと納税は何が変わる?返礼品と控除への影響
▶ NISA・iDeCo完全ガイド|初心者向け投資の始め方【2026年最新】
よくある質問(FAQ)
Q1今年の年収が確定していないのに、見積額はどう書けばいいですか?
A提出時点での1年分の見込み額を書けば問題ありません。
これまでの給与・賞与の合計に、12月分の見込みを足した額が目安です。前年と働き方が変わっていなければ、前年の源泉徴収票の「支払金額」も参考になります。見積額と実際の額がずれて控除区分が変わった場合は、勤務先が再計算します。
Q2配偶者の欄は「年収」と「所得」のどちらを書きますか?
A収入金額と所得金額の両方を書く欄があり、判定に使うのは「所得」です。
パート収入だけなら、収入から給与所得控除(令和8年分は最低74万円)を引いた額が所得です。年収136万円以下なら所得62万円以下となり、配偶者控除の対象になります。
Q3保険料控除申告書は、保険に入っていなければ出さなくていいですか?
A申告する保険料や掛金がない人は、提出不要とする勤務先が一般的です。
ただし、国民年金を自分で払った期間がある人やiDeCoに加入している人は対象になります。会社によっては全員に提出を求めることもあるので、配布時の案内に従ってください。
Q4控除証明書がまだ届いていません。期限に間に合わない場合は?
Aまず勤務先に相談し、証明書は翌年1月末日までに提出すれば控除を受けられる扱いです。
保険会社の契約者サイトから電子データや再発行の手続きができる場合も多いので、届かないときは早めに問い合わせましょう。どうしても間に合わなければ、確定申告で控除を受けることもできます。
Q5大学生の子のアルバイト収入が130万円を超えそうです。扶養から外れますか?
A19〜22歳なら、給与収入197万円以下までは「特定親族特別控除」で段階的に控除が受けられます。
給与収入136万円以下(所得62万円以下)なら従来どおり扶養控除63万円、136万円超197万円以下なら②の申告書の特定親族特別控除の欄に記入します。なお、健康保険の扶養(130万円の壁)は別の制度で、加入している健康保険の基準で判断されます。
Q6年の途中で転職しました。前の会社の分はどうなりますか?
A前の勤務先の源泉徴収票を今の勤務先に提出すれば、まとめて年末調整してもらえます。
年収の見積額には前の会社の給与も含めて書きます。源泉徴収票が間に合わない場合や、2か所から同時に給与を受けている場合は、確定申告で精算することになります。
結論|令和8年分の申告書を間違えずに書くための5つのポイント
提出する申告書は3枚が基本
扶養控除等申告書・基礎控除申告書(兼用様式)・保険料控除申告書に加え、住宅ローン控除2年目以降の人だけ4枚目を出します。
基礎控除は年収→所得→控除額の順に計算
合計所得489万円以下(年収約665万円以下)なら104万円、前年の95万円などとは別の数字です。
家族の判定ラインは所得62万円に
配偶者・扶養親族は所得62万円以下(給与136万円以下)、19〜22歳の子は197万円まで特定親族特別控除の対象です。
保険料は証明書の区分どおりに転記
新旧契約の区分は変えず、23歳未満の扶養親族がいる人は一般生命保険料(新契約)だけ上限6万円の計算式Ⅱを使います。
できない控除は確定申告で
医療費控除・住宅ローン控除1年目・ワンストップを使わないふるさと納税は、2027年2月16日〜3月15日の確定申告で手続きします。
まとめ

✅ この記事のまとめ
✔ 書く順番は①扶養→②基礎控除→③保険料②は自分の所得を先に出し、その結果で配偶者や子の控除を判定します。
✔ 前年の控えは数字の参考にしない基礎控除額・所得要件・給与所得控除がすべて令和8年分で変わっています。
✔ 「年収」ではなく「所得」で判定する家族のパート収入は給与所得控除(最低74万円)を引いた額で見ます。
✔ 証明書は捨てずに添付する生命保険・地震保険・国民年金・iDeCoは原則として証明書が必要、国保は不要です。
✔ 迷ったら勤務先か国税庁の記載例へ提出後の訂正も源泉徴収票の交付前なら勤務先で対応してもらえます。
年末調整の申告書は、手順どおりに上から埋めていけば難しいものではありません。今年は金額の基準が動いた分、「前年と同じ」が通用しない年です。まずは今年の年収見込みと家族の収入見込みをメモし、届いた控除証明書を1か所にまとめることから始めてみてください。
※この記事は2026年10月時点の情報(国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」「各種様式・記載例」「令和8年度税制改正(基礎控除の引上げ等関係)Q&A」など)をもとに作成しています。様式や取り扱いは変更される場合があります。控除額や所得の計算例は一定の前提に基づく概算で、実際の金額は個々の状況によって異なります。具体的な記入方法や税務上の判断は、勤務先の担当者・税務署・税理士にご確認ください。本記事は特定の保険商品の勧誘を目的としたものではなく、保険の内容は各社の約款・重要事項説明書でご確認ください。