自動車保険(任意保険)は、2026年10月の東京海上日動(平均約6.5%)に続き、2027年1月に損保ジャパン(平均約5%)、2027年4月ごろにMS&AD2社(約6%・検討中)と、大手で値上げが続く見通しです。背景には、損害保険料率算出機構が2026年6月に届け出た参考純率の平均14.4%引き上げ(2027年1月以降の契約を想定)があり、部品代と工賃の高騰で修理費が上がり続けていることが理由とされています。
この記事では、大手4社の改定時期と値上げ率、参考純率とは何か、年間保険料がいくら増えるかの試算、更新前に確認したい見直しの手順を、損保料率機構の資料と各社の発表・報道をもとに整理します。
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この記事でわかること
✓ 大手4社の値上げ時期と平均改定率(2025年10月〜2027年4月)
✓ 参考純率「平均14.4%引き上げ」の中身と保険料への反映時期
✓ 年間保険料6万・8万・10万円の人はいくら増えるかの目安
✓ 値上げの理由(修理費・工賃・自然災害)と今後の見通し
✓ 更新前に損しないための見直し手順と注意点
結論・最新状況|大手4社の値上げスケジュール
2025年秋から2027年春にかけて、大手損保の自動車保険は「1年に1回以上」のペースで値上げが続いています。各社の改定時期と平均改定率を時系列でまとめると次のとおりです。
| 改定時期 | 保険会社 | 平均改定率 | 状況・出典 |
|---|---|---|---|
| 2025年10月 | 東京海上日動 | 約8.5% | 実施済み(JAF Mate 2026年1月) |
| 2026年1月 | 損保ジャパン/三井住友海上/あいおいニッセイ同和 | 約7.5%/約7%/約6% | 実施済み(同上) |
| 2026年7月 | 損保ジャパン | 約1.8% | 実施済み(7月1日以降始期) |
| 2026年10月 | 東京海上日動 | 約6.5% | 実施(10月1日以降始期・共同通信2026年5月) |
| 2026年11月 | 自賠責保険(全社共通) | 6.2% | 11月1日以降の契約から(13年ぶり) |
| 2027年1月 | 損保ジャパン | 約5% | 予定(共同通信2026年8月) |
| 2027年4月ごろ | 三井住友海上・あいおいニッセイ同和(MS&AD) | 約6% | 検討中・未確定(共同通信2026年5月) |
平均改定率は各社の契約全体の平均で、年齢・等級・車種・補償内容によって、上がり幅が大きい人も、ほとんど変わらない人もいます。損保ジャパンの2026年1月改定では、ノンフリート契約の約75%で保険料が上がると説明されていました(同社の2025年12月の説明会・Car Watch)。
💡 ポイント
値上げは「加入している会社の改定日以降に始期を迎える契約」から順に適用されます。満期日が改定日より前なら、その更新は旧料率のままで、次の更新から新しい料率になるのが一般的です。
なお、強制加入の自賠責保険も2026年11月1日以降の契約から平均6.2%引き上げられます。車検のタイミングで任意保険と同時に負担が増える人も多いため、あわせて確認しておきましょう。
▶ 【2026年11月】自賠責保険が13年ぶり値上げ|いつから・いくら上がる?節約術も
そもそも「参考純率14.4%引き上げ」とは何か
自動車保険の保険料率は、保険金の支払いに充てる純保険料率と、保険会社の経費などに充てる付加保険料率で構成されます。このうち純保険料率の「目安」として、損害保険料率算出機構(損保料率機構)が会員各社の統計をもとに算出・提供しているのが参考純率です。
損保料率機構は2026年6月23日、この参考純率を全国平均で14.4%引き上げる届出を金融庁に行い、6月30日に適合性審査の通知を受領しました。前回2024年6月の改定(平均+5.7%)の2倍以上の上げ幅で、2027年1月以降に保険始期を迎える契約を想定した改定とされています。
| 契約条件の例(45歳・20等級・沖縄県以外) | 改定率 |
|---|---|
| 自家用普通・小型乗用車(車両保険あり) | +17.2% |
| 自家用軽四輪乗用車(車両保険あり) | +17.5% |
| 自家用普通・小型乗用車(車両保険なし) | +16.4% |
| 自家用軽四輪乗用車(車両保険なし) | +15.8% |
| 全体の平均 | +14.4% |
ここで注意したいのは、参考純率の改定率がそのまま契約者の保険料の値上げ率になるわけではない点です。保険会社は参考純率をそのまま使うことも、修正して使うことも、独自に純保険料率を算出することもでき、付加保険料率も各社が決めます。そのため実際の改定率と時期は会社ごとに異なります。前回2024年6月の改定(+5.7%)が各社の保険料に反映されたのは、2025年秋〜2026年1月でした。
⚠️ 注意
「参考純率が14.4%上がる=自分の保険料が14.4%上がる」ではありません。各社の2027年の改定率は、現時点で損保ジャパン(約5%・1月)とMS&AD2社(約6%程度・4月ごろ・検討中)が報じられている段階で、他社の正式発表は出ていません。更新案内が届いたら、実際の金額で前年と比較してください。
新設される「運行特性区分」とは
今回の届出では、ドライブレコーダーなどで測定した急加速・急減速の頻度に基づく運行特性区分(区分1〜3)が新設されました。区分1が最もリスクが低く保険料が安くなる区分で、区分間の較差は約10%とされています。判定は一定期間の走行状況から総合的に行われ、1回の急ブレーキだけで決まるものではありません。実際にどの商品でどう使われるかは各社の設計次第のため、今後の発表を待つ必要があります。
値上げの理由|修理費は2年で約15%上昇
事故の件数(事故率)は、自動ブレーキなど先進安全技術の普及もあって足元では緩やかに減っています。それでも保険料が上がるのは、1件あたりの修理費(保険金単価)が事故率の減少を上回るペースで上がっているためです。
損保料率機構の資料によると、対物賠償の1件あたり修理費は2022年度の33万6千円から2024年度には38万6千円へ上昇しました。内訳では部品費(15万5千円→17万4千円)、工賃(6万4千円→7万3千円)、塗装費(5万3千円→6万円)、代車料などの間接損害(6万3千円→7万9千円)がいずれも増えています。
要因として挙げられているのは、物価上昇、センサーやカメラなど高性能部品の普及による部品代の高額化、整備工場の工賃単価の上昇、修理期間の長期化による代車料の増加です。部品別の見積もりでも、2025年3月から2026年3月にかけて工賃の上昇率はヘッドランプユニットで約11%、フロントバンパーで約16%と二桁になっています。

自然災害の影響も見逃せません。損保ジャパンは2026年1月改定の説明で、大規模な雹(ひょう)災による支払保険金が2022年・2023年に各600億円以上、2024年には800億円超に達したと説明しています。豪雨による冠水や雹害は車両保険の支払いを押し上げ、保険料に反映されやすい要因です。
加えて、損保ジャパンの2027年1月の値上げ報道では、修理費単価が2026年4〜6月期に前年同期比で約7.9%増えたとされ、同社の2027年3月期の自動車保険収支は赤字見込みと伝えられています。こうした状況が続く限り、値上げの流れが短期間で止まる可能性は高くないとみられます。
いくら上がる?年間保険料別の負担増シミュレーション
平均改定率を自分の保険料に当てはめると、負担増の目安がつかめます。あくまで「平均どおりに上がった場合」の計算で、実際は契約条件で上下します。
| 現在の年間保険料 | +5%(損保ジャパン2027年1月) | +6.5%(東京海上2026年10月) | +14.4%(参考純率どおりの場合) |
|---|---|---|---|
| 6万円 | 63,000円(+3,000円) | 63,900円(+3,900円) | 68,640円(+8,640円) |
| 8万円 | 84,000円(+4,000円) | 85,200円(+5,200円) | 91,520円(+11,520円) |
| 10万円 | 105,000円(+5,000円) | 106,500円(+6,500円) | 114,400円(+14,400円) |
参考純率の平均改定率
+14.4%
前回2024年6月の改定率
+5.7%
年間8万円の人が平均どおり14.4%上がると
+11,520円
値上げが2年続けて重なると、負担はさらに大きくなります。たとえば東京海上日動の契約で2025年10月(約8.5%)と2026年10月(約6.5%)の両方が反映されると、計算上は約15.6%(1.085×1.065)の上昇です。年間8万円だった保険料なら、2年で9万2千円台になる計算になります。
自動車税や車検と重なる時期は、年間の車の維持費全体で考えると見直しの効果が見えやすくなります。
▶ 【2026年最新】自動車税の納付時期到来!税額一覧・還元率の高い支払い方法・保険見直しで節約
更新前に確認したい見直しの手順
値上げへの対策で大切なのは、補償を削って安くするのではなく、ムダな条件や特約を整理して同じ補償を安く維持することです。更新案内が届いたら、次の順で確認してみてください。

手順1:運転者の範囲と年齢条件を実態に合わせる
「家族限定」「本人・配偶者限定」「本人限定」の運転者限定や、運転者年齢条件は、実際に運転する人に合わせると保険料が下がる場合があります。子どもが独立した、家族が運転しなくなったなど、1年の間に状況が変わっていないか確認しましょう。
手順2:重複している特約を整理する
弁護士費用特約や個人賠償責任特約は、家族の別の自動車保険や火災保険に同じ補償が付いていることがあります。1つに絞れば保険料を抑えられる可能性がありますが、外す前に「どの契約で誰まで補償されるか」を必ず確認してください。
手順3:割引の適用もれを確認する
ゴールド免許割引、車齢(新車)割引、ASV(自動ブレーキ)割引、インターネット割引、証券不要割引などは、申告や手続きがないと適用されないものがあります。なお損保ジャパンは2026年7月の改定で、新車割引を「車齢別割引」(車齢121か月以内)へ拡大する一方、エコカー割引を3%から1.5%に縮小するなど、割引の中身自体も見直しています。割引は会社ごとに条件が違うため、更新案内の割引欄をひとつずつ見ていきましょう。
手順4:車両保険は「外す」より「免責・型」を調整する
車両保険を外せば保険料は大きく下がりますが、豪雨による冠水や雹害、単独事故の修理費は全額自己負担になります。まずは免責金額(自己負担額)を5万円・10万円などに設定する、補償範囲を「一般型」から「エコノミー型」にするなど、段階的な調整から検討するのが一般的です。
手順5:同じ補償条件で複数社の見積もりを比べる
代理店型からダイレクト型(ネット型)に変えると、同じ補償でも保険料が2〜3割下がる例があるとされています(JAF Mate 2026年1月)。ただし事故対応の体制や相談のしやすさは会社ごとに異なるため、保険料だけで判断せず、補償内容・特約・サービスをそろえて比較することが大切です。
✅ 更新案内が届いたらチェック
✓ 前年の保険料と今年の保険料の差額(何%上がったか)
✓ 運転者限定・年齢条件が今の家族の実態に合っているか
✓ 弁護士費用・個人賠償などの特約が他の保険と重複していないか
✓ ゴールド免許・車齢・ASVなどの割引が適用されているか
✓ 車両保険の免責金額と型(一般型/エコノミー型)
✓ 等級と事故有係数の適用期間(乗り換え時に引き継がれる)
見直しの具体的な7つの方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶ 【2026年最新版】自動車保険の見直しで年間3万円節約|補償を減らさず安くする7つの方法
注意点|「値上げ前の乗り換え」が逆効果になるケース
「値上げ前に別の会社へ乗り換えれば得」と考える人もいますが、等級の進み方によっては乗り換えないほうが安くなることがあります。ノンフリート等級は、満期まで無事故なら翌年1等級上がり割引率が高くなりますが、途中で解約して乗り換えると、等級の進行が新しい契約の1年後まで後ろ倒しになるためです。
JAF Mateの試算(2026年6月)では、7等級→8等級のように割引率の差が大きい段階(参考純率ベースで27%→38%)では乗り換えないほうが有利になる可能性が高く、17等級→18等級のように差が小さい段階(55%→56%)では乗り換えで向こう1年が安くなる可能性があるとされています。自分の等級と事故有係数の残り期間を確認したうえで判断しましょう。
💡 ポイント
年払いの契約を途中で解約した場合、戻ってくる保険料は「残り期間の日割り」ではなく短期率で計算されるのが一般的です。乗り換えを検討するなら、満期日に合わせて切り替えるのが基本です。
また、運行特性区分の新設に見られるように、今後は走行データを使った割引(テレマティクス型)が広がる可能性があります。前後2カメラのドライブレコーダーは、事故時の証拠としてだけでなく、こうした割引の判定に使われる例もあるため、まだ付けていない人は検討の余地があります。
なお、同じ時期にMS&ADグループは火災保険でも約5%の引き上げを検討しているとされます(共同通信 2026年5月)。火災保険の値上げ状況はこちらで整理しています。
▶ 【2026年10月】火災保険の値上げはいくら?3%改定の中身と見直し方
冬の雪道での単独事故は車両保険の型によって補償の有無が分かれます。スタッドレスタイヤへの交換時期とあわせて確認しておくと安心です。
▶ 【2026年】スタッドレスタイヤはいつ交換?費用相場と暖冬の注意点
よくある質問(FAQ)
Q1自動車保険の値上げはいつから適用されますか?
A各社の改定日以降に保険始期(更新日)を迎える契約から適用されます。
東京海上日動は2026年10月1日以降、損保ジャパンは2027年1月以降の始期契約が対象と報じられています。満期日が改定日より前なら、その更新は旧料率です。
Q2参考純率が14.4%上がると、保険料も14.4%上がりますか?
A必ずしも同じ率にはなりません。
参考純率は純保険料率の目安で、各社は修正や独自算出ができ、経費分の付加保険料率も各社が決めます。現時点で報じられている2027年の改定率は損保ジャパン約5%、MS&AD2社約6%(検討中)です。
Q3ダイレクト型(ネット型)の保険も値上げされますか?
Aダイレクト型も修理費高騰の影響は同じため、改定が行われる可能性があります。
ただし改定の時期や率は会社ごとに異なり、公表のしかたもさまざまです。加入中または検討中の会社の「商品改定のご案内」を確認してください。
Q4値上げ前に他社へ乗り換えたほうが得ですか?
A等級の進み方次第で、乗り換えないほうが安くなることもあります。
途中解約で乗り換えると等級の進行が1年後ろ倒しになり、年払いの返戻金も日割りにはなりません。満期に合わせて同じ補償条件で複数社を比較するのが基本です。
Q5自賠責保険も上がるのですか?
A2026年11月1日以降の契約から平均6.2%引き上げられます。
自家用乗用車の24か月契約は17,650円から18,560円(+910円)、軽自動車は17,540円から18,660円(+1,120円)です。車検時にまとめて支払うため、任意保険と合わせた負担増を意識しておきましょう。
Q6車両保険を外せば値上げ分を相殺できますか?
A保険料は下がりますが、冠水・雹害・単独事故の修理費が全額自己負担になるため慎重な判断が必要です。
まずは免責金額の設定や一般型からエコノミー型への変更など、段階的な調整から検討するのが一般的です。車の時価額が低くなっている場合は外す選択肢もあります。
結論|自動車保険の値上げはこう押さえる
大手4社は2027年春まで値上げが続く見通し
東京海上日動は2026年10月に平均約6.5%、損保ジャパンは2027年1月に平均約5%、MS&AD2社は2027年4月ごろ約6%を検討中です。
参考純率は平均14.4%の引き上げ
損保料率機構が2026年6月に届け出た改定で、2027年1月以降の契約を想定し、前回2024年の+5.7%の2倍以上の上げ幅です。
理由は修理費の高騰と自然災害
対物賠償の1件あたり修理費は2022年度33万6千円から2024年度38万6千円に上がり、部品代・工賃・代車料のすべてが増えています。
年間8万円の人は年3,000〜5,000円台の負担増が目安
平均改定率どおりなら+5%で4,000円、+6.5%で5,200円の増加で、2年分が重なるとさらに大きくなります。
対策は補償を削らず条件と特約の整理から
運転者条件・重複特約・割引もれ・車両保険の免責を見直し、満期に合わせて同じ補償条件で複数社を比較するのが基本です。
まとめ

✅ この記事のまとめ
✔ 値上げは自分の更新日で決まる各社の改定日以降に始期を迎える契約から新料率になるので、まず満期日を確認しましょう。
✔ 「平均○%」は目安にすぎない年齢・等級・車種・補償で上がり幅は変わるため、更新案内の金額を前年と比べることが出発点です。
✔ 安くする順番は「条件→特約→割引→免責」補償そのものを削るのは最後の選択肢にしましょう。
✔ 乗り換えは満期に合わせて途中解約は等級の進行が遅れ、返戻金も日割りにならないのが一般的です。
✔ 自賠責・火災保険の値上げも同時期車と住まいの保険をまとめて点検すると、家計全体の負担増が見えやすくなります。
自動車保険の値上げは、物価と修理費が落ち着くまで続く可能性があります。だからこそ、毎年の更新を「そのまま継続」で済ませず、条件を点検する習慣が家計を守ります。まずは手元の更新案内か保険証券を取り出して、運転者条件・特約・割引の3点を今日確認してみてください。
※この記事は2026年10月時点の公表情報・報道をもとに作成しています。各社の改定率は平均値であり、実際の保険料は契約条件によって異なります。2027年の改定の一部は検討段階・報道ベースの情報を含み、正式発表で内容が変わる場合があります。本記事は特定の保険商品の勧誘を目的としたものではありません。補償内容・保険料の詳細は、各保険会社の約款・重要事項説明書でご確認ください。