自転車保険の義務化が進み、2026年3月現在、44都道府県で加入が義務化または努力義務となっています。しかし、いざ加入しようとすると「どの保険を選べばいいの?」「個人賠償責任保険だけで十分?」と迷う方も多いのではないでしょうか。
実は、自転車保険は「傷害保険」と「個人賠償責任保険」の組み合わせであり、すでに火災保険や自動車保険で個人賠償責任保険に加入している場合、重複加入になる可能性があります。
この記事では、自転車保険の補償内容、選び方のポイント、おすすめ商品の比較まで、初心者向けにわかりやすく解説します。

自転車保険とは?補償内容を理解しよう
自転車保険の基本構成
自転車保険は、一般的に2つの補償がセットになっています。
1. 傷害保険(自分のケガへの備え)
・自転車事故で自分がケガをした時の補償
・死亡・後遺障害保険金
・入院保険金(日額3,000円〜1万円)
・通院保険金(日額1,000円〜3,000円)
・手術保険金
2. 個人賠償責任保険(相手への備え)
・自転車事故で他人にケガをさせた時の補償
・他人の物を壊した時の補償
・法律上の損害賠償責任を補償
・補償額:1億円〜無制限
個人賠償責任保険の補償範囲
個人賠償責任保険は、自転車事故だけでなく日常生活の賠償事故も補償されます。
補償される例:
・自転車で歩行者にぶつかりケガをさせた
・買い物中に商品を壊した
・飼い犬が他人を噛んだ
・子どもが他人の車を傷つけた
・マンションで水漏れを起こし、階下に損害を与えた
補償されない例:
・仕事中の事故
・故意の事故
・同居の家族への損害
自転車保険の主な補償内容
| 補償 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 個人賠償責任 | 他人にケガをさせた場合の賠償 | 1億円以上 |
| 死亡・後遺障害 | 事故で死亡または後遺障害 | 100万〜1000万円 |
| 入院保険金 | 入院した場合の日額補償 | 3000円〜1万円 |
| 通院保険金 | 通院した場合の日額補償 | 1000円〜3000円 |
自転車保険が必要な理由|高額賠償事例

自転車事故の高額賠償判例
自転車事故の高額賠償判例
| 事故年 | 加害者 | 被害者 | 賠償額 |
|---|---|---|---|
| 2013年 | 小学生(11歳) | 女性(62歳) | 9,521万円 |
| 2008年 | 男子高校生 | 男性(24歳) | 9,266万円 |
| 2007年 | 男性(40代) | 女性(55歳) | 6,779万円 |
| 2005年 | 女性(20代) | 女性(60代) | 5,438万円 |
| 2003年 | 男性(37歳) | 女性(32歳) | 5,000万円 |
出典:一般社団法人日本損害保険協会
注目ポイント:
・最高額は約9,500万円
・子どもの事故でも高額賠償
・死亡や後遺障害が残るケースが多い
・親が監督責任を問われる
自転車事故の現状
2023年の自転車関連事故件数:72,339件
「自転車対歩行者」事故の特徴:
・10代の事故が最も多い
・歩行者が死亡・重傷になるケースが多い
・子どもからお年寄りまでリスクがある
すでに加入しているかも?重複加入をチェック

個人賠償責任保険が付帯している可能性がある保険
1. 火災保険
・「個人賠償責任特約」として付帯
・補償額:1億円〜無制限
・年間保険料:1,000円〜3,000円
2. 自動車保険
・「日常生活賠償特約」として付帯
・補償額:1億円〜無制限
・年間保険料:1,000円〜2,000円
3. クレジットカード
・一部のゴールドカード、プラチナカードに付帯
・補償額:1,000万円〜5,000万円
・注意:補償額が低い場合がある
4. 共済
・県民共済、コープ共済など
・「個人賠償責任保険」として付帯
重複加入の注意点
個人賠償責任保険は、複数加入しても重複して保険金は受け取れません。
例:
・火災保険で1億円の個人賠償責任保険に加入
・自転車保険でも1億円の個人賠償責任保険に加入
・事故で5,000万円の賠償
→ 受け取れるのは5,000万円のみ(合計2億円ではない)
確認方法:
1. 火災保険、自動車保険の証券を確認
2. 「個人賠償責任特約」「日常生活賠償特約」の有無をチェック
3. 補償額を確認(1億円以上なら十分)

自転車保険の選び方|5つのポイント
ポイント1:個人賠償責任補償は最低1億円以上
推奨:1億円以上、できれば無制限
理由:
・過去の高額賠償事例で最高約9,500万円
・1億円未満では不足する可能性
・保険料の差は年間数百円程度
補償額の目安:
・1億円:最低限
・2億円〜3億円:安心
・無制限:最も安心
ポイント2:示談交渉サービス付きを選ぶ
示談交渉サービスとは:
・保険会社が事故の相手と交渉してくれる
・加入者は直接交渉する必要がない
・ほとんどの自転車保険に付帯
メリット:
・精神的負担が軽減
・専門家が対応するため安心
・適正な賠償額で解決
注意:
・国内事故のみ対応の場合が多い
・海外事故は対応外
ポイント3:補償範囲を確認(本人型・夫婦型・家族型)
補償タイプの違い
| タイプ | 補償対象 | 向いている人 | 保険料目安(年額) |
|---|---|---|---|
| 本人型 | 本人のみ | 独身・単身赴任 | 3,000円〜7,000円 |
| 夫婦型 | 本人+配偶者 | 夫婦のみの世帯 | 5,000円〜10,000円 |
| 家族型 | 本人+配偶者+子ども | 子育て世帯 | 7,000円〜15,000円 |
ポイント:
・家族型は一人当たりの保険料が安い
・個人賠償責任補償は、本人型でも家族全員が対象
・傷害保険(自分のケガ)だけが対象範囲が異なる
ポイント4:自分のケガの補償は必要か検討
傷害保険(自分のケガ)が必要ない人:
・医療保険に加入済み
・生命保険の傷害特約に加入済み
・会社の団体保険に加入済み
傷害保険が必要な人:
・医療保険に未加入
・自転車通勤・通学で事故リスクが高い
・子どもが自転車に乗る
節約術:
・個人賠償責任保険だけに加入
・火災保険や自動車保険の特約で年1,000円〜3,000円
ポイント5:付帯サービスをチェック
自転車ロードサービス:
・自転車の故障時に搬送サービス
・出張修理サービス
・年4回まで無料(商品により異なる)
弁護士費用補償:
・相手との交渉がこじれた時に弁護士費用を補償
・補償額:300万円程度
24時間365日事故受付:
・WEBや電話でいつでも連絡可能
自転車保険と個人賠償責任保険の違い
| 項目 | 自転車保険 | 個人賠償責任保険 |
|---|---|---|
| 賠償責任 | ○ | ○ |
| 自分のケガ | ○ | × |
| ロードサービス | ○ | × |
| 保険料 | 3,000〜25,000円 | 1,000〜3,000円 |
主な自転車保険7例【2026年最新情報】
① au損保「Bycle Best」

特徴:
・個人賠償責任補償:3億円(ブロンズは2億円)
・自転車事故のケガは保険金2倍
・自転車ロードサービス付き
・示談代行サービス付き
保険料:本人タイプ
・ブロンズコース:月860円(一時払い9,400円)
・シルバーコース:月1,570円(一時払い17,140円)
・ゴールドコース:月2,370円(一時払い25,840円)
補償内容(ゴールドコース):本人タイプ
・個人賠償責任:3億円
・死亡・後遺障害:400万円(自転車事故は800万円)
・入院日額:6,000円(自転車事故は1万2,000円)
・手術保険金:3万円または6万円(自転車事故は6万円または12万円)
・通院日額:2,000円(自転車事故は4,000円)
他、ヘルメット着用中死亡、入院一時金、法律相談費用、弁護士費用等
おすすめポイント:
・手厚い補償
・自転車事故は保険金2倍
・ロードサービス付き(利用条件あり)
② 損保ジャパン「サイクル安心保険」

特徴:
・個人賠償責任補償:1億円~
・示談代行サービス付き
・家族全員が補償対象(プランC)、「別居の未婚の子」まで幅広くカバー
・全日本交通安全協会へのご入会
保険料:WEB申込
・プランA:年1,770円(個人向ベーシック)
・プランB:年2,770円(個人向スタンダード)
・プランC:年4,660円(家族向け)
補償内容(プランC):
・個人賠償責任:1億円
・死亡・後遺障害:1,000万円(家族:850万円)
・入院日額:6,000円
・入院中の手術:60,000円(外来の手術:30,000円)
おすすめポイント:
・家族型でコスパ良好
・団体保険扱いなので保険料が安い
③ 楽天損保「サイクルアシスト」

特徴:
・個人賠償責任補償:1億円
・示談交渉サービス付き
・楽天ポイントが貯まる
・カップル、ファミリープランの選択が可能
保険料(本人型):
・基本タイプ:年3,000円
・安心タイプ:年4,770円
・充実タイプ:年8,320円
補償内容(安心タイプ):
・個人賠償責任:1億円
・死亡・後遺障害:500万円
・入院日額:5,000円
・手術保険金:5万円(外来の手術2.5万円)
おすすめポイント:
・楽天ユーザーにお得
・ポイント還元あり
④ 三井住友海上「ネットde保険@さいくる」

特徴:
・個人賠償責任補償:最大3億円
・示談代行サービス付き
・ネット完結で簡単
保険料(本人型):
・Aコース:年3,630円
・Bコース:年3,090円
・Cコース:年2,730円
補償内容(Cコース):
・個人賠償責任:3億円
・死亡・後遺障害:700万円
・入院日額:4,000円
・手術保険金:4万円(外来の手術:2万円)
おすすめポイント:
・保険料が安い
・ネットで簡単加入
⑤ 東京海上日動「からだの保険(サイクル)」

特徴:
・個人賠償責任補償:1億円
・示談代行サービス付き
・交通事故全般を補償
保険料(本人型):
・お手軽:月360円(年4,320円)
・通常 :月440円(年5,280円)
・充実 :月520円(年6,240円)
補償内容(お手軽):
・個人賠償責任:1億円
・死亡・後遺障害:100万円
・入院日額:1,500円
・通院日額:1,000円
おすすめポイント:
・自転車事故全般を補償
・個人賠償責任は任意で取り外し可能
↓車両本体の補償に備えるなら↓
⑥ SBI日本少短「みんなのスポーツサイクル保険」

特徴:
・自転車の購入価格10万円~車両価格に応じて保険料設定
・自転車の盗難・破損補償付き
・ロードサービス付き
保険料:
・車両価格40万円:年19,680円
・車両価格15万円:年7,380円
補償内容:
・車両の全損・半損
・車両の盗難
おすすめポイント:
・免責無しで補償額は契約時のまま
・高価な自転車を持つ人におすすめ
⑦ あんしん少短「ペダルワン」

特徴:
・1万円~車両価格に応じて保険料設定
・自転車の盗難にくわ損壊補償付き
・ケガの保障と分離しているので必要な補償をカスタム可能
保険料(盗難・損壊プラン):
・車両価格10万円:年4,070円
・車両価格20万円:年10,638円
補償内容(盗難・損壊プラン):
・車両の全損・半損
・車両の盗難
おすすめポイント:
・車両と傷害で細かなカスタムが可能
・10万円以内の自転車にもおすすめ
シーン別おすすめ自転車保険

通勤・通学で毎日乗る人
おすすめ:au損保「Bycle Best」
・自転車事故は保険金2倍
・ロードサービス付き(利用条件あり)
・手厚い補償
子育て世帯
おすすめ:損保ジャパン「サイクル安心保険」家族型
・家族全員が補償対象
・コスパ良好
・大手損保の安心感
週末だけ乗る人
おすすめ:三井住友海上「ネットde保険@さいくる」
・保険料が安い(年2,730円~)
・個人賠償責任3億円
・ネットで簡単加入
車両の盗難や損壊が心配な人
おすすめ:あんしん少短「ペダルワン」盗難・損壊プラン
・盗難・破損補償1~100万円(車両価格による)
・車両の損壊だけではなく盗難にも対応
・ケガの保障と分離しているので必要な保障を設計しやすい。
節約重視の人
おすすめ:火災保険・自動車保険の個人賠償責任特約
・年1,000円〜3,000円
・個人賠償責任のみ補償
・自分のケガは医療保険でカバー
おすすめ自転車保険比較
| 保険会社 | 賠償責任 | 特徴 | 保険料目安 |
|---|---|---|---|
| au損保 Bycle Best | 最大3億円 | 自転車事故の補償が手厚い | 年9,400円〜 |
| 損保ジャパン サイクル安心保険 | 1億円~ | 家族型が安い | 年1,770円〜 |
| 楽天損保 サイクルアシスト | 1億円 | 楽天ポイントが貯まる | 年3,000円〜 |
| 三井住友海上 ネットde保険@さいくる | 3億円 | 保険料が安い | 年2,730円〜 |
| あんしん少短 ペダルワン | 1,000万円(傷害プラン) | 盗難補償あり | 年2,119円〜 |
よくある質問

Q1:個人賠償責任保険だけで十分?自転車保険に入る必要はある?
A:個人賠償責任保険(1億円以上)に加入していれば、義務化には対応できます。自転車保険は「個人賠償責任保険+傷害保険」のセットなので、すでに医療保険に加入している場合は重複する可能性があります。ただし、自転車通勤・通学で事故リスクが高い場合は、自転車保険の加入を検討しましょう。
Q2:家族全員で加入する必要がある?
A:個人賠償責任保険は、本人型でも家族全員が補償対象です。ただし、傷害保険(自分のケガ)は本人のみなので、家族全員のケガも補償したい場合は家族型に加入しましょう。
Q3:すでに火災保険で個人賠償責任保険に加入している場合は?
A:補償額が1億円以上なら、自転車保険の個人賠償責任部分は不要です。ただし、自分のケガの補償(傷害保険)が欲しい場合は、自転車保険に加入するか、医療保険でカバーしましょう。
Q4:義務化されているけど、入らないとどうなる?
A:罰則はありませんが、事故を起こした際に高額な賠償を自己負担することになります。過去には約9,500万円の賠償判例もあるため、必ず加入しましょう。
Q5:TSマークがあれば保険はいらない?
A:TSマークには賠償責任補償(最大1億円)が付いていますが、補償内容は限定的です。補償期間は1年間のみで、自転車の点検整備を受けた車両に付帯する制度のため、更新手続きが必要になります。また、補償範囲や示談交渉サービスの有無などは自転車保険とは異なる場合があります。より手厚い補償や家族全体の補償を希望する場合は、自転車保険や個人賠償責任保険(1億円以上)への加入を検討すると安心です。
まとめ|自転車保険は賢く選ぼう

自転車保険は、「個人賠償責任保険」と「傷害保険」のセットです。選び方のポイントを押さえて、自分に合った保険を選びましょう。
選び方の5つのポイント:
1. 個人賠償責任補償は最低1億円以上(できれば無制限)
2. 示談交渉サービス付きを選ぶ
3. 補償範囲を確認(本人型・夫婦型・家族型)
4. 自分のケガの補償は必要か検討
5. 付帯サービスをチェック(ロードサービス、弁護士費用補償)
おすすめ自転車保険:
・通勤・通学:au損保「Bycle Best」ゴールドコース
・子育て世帯:損保ジャパン「サイクル安心保険」家族型
・週末乗り:三井住友海上「ネットde保険@さいくる」Aコース
・高価な自転車:あんしん少短「ペダルワン」
・節約重視:火災保険・自動車保険の個人賠償責任特約
加入前にチェック:
・火災保険、自動車保険で個人賠償責任保険に加入済みか確認
・補償額が1億円以上か確認
・重複加入を避ける
自転車事故は誰にでも起こりうるリスクです。高額賠償に備え、必ず保険に加入しましょう。まずは、現在加入している保険を確認することから始めてみてください。