「ペット保険って本当に必要なの?」「みんなどれくらい入っているの?」ペットを飼っている方、これから飼う方なら誰もが一度は考える疑問ではないでしょうか。動物病院の治療費は全額自己負担で、予想以上に高額になることも少なくありません。
この記事では、ペット保険の加入率、補償内容、メリット・デメリット、必要な人・不要な人、選び方まで徹底的に解説します。ペット保険への加入を迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

ペット保険の加入率・市場動向
まず、実際にどれくらいの人がペット保険に加入しているのか見ていきましょう。
日本の加入率:約21.4%(2024年時点)
出典:アニコム ホールディングス株式会社 統合報告書 2025
2024年時点で、日本におけるペット保険の加入率は約21.4%です。つまり、ペットを飼っている人の約5人に1人が加入している計算になります。
動物別の加入率:
・犬:約24%
・猫:約18%
出典:「PS保険」ペットメディカルサポート株式会社
猫よりも犬の方が加入率が高い傾向にあります。
海外との比較
日本の加入率は、欧米諸国と比べるとまだまだ低い水準です。
海外のペット保険加入率:
・スウェーデン:約65%(50%以上)
・イギリス:約30〜40%
・アメリカ:約30〜40%
ペット保険先進国のスウェーデンでは、半数以上の飼い主が保険に加入しています。

日本の加入率が低い理由
1. ペット保険の歴史が浅い
日本でペット保険が誕生したのは1995年。約30年しか歴史がありません。一方、スウェーデンでは1924年に世界初の犬の保険が販売されており、約100年の歴史があります。
2. 認知度がまだ低い
ペット保険の存在自体を知らない、または内容を十分に理解していない飼い主が多いのが現状です。
調査によると、ペット保険未加入者の半数以上が内容を理解していないという結果が出ています。「費用が高い」「メリットが少ない」と思っている人も多いですが、実は「食わず嫌い」の状態なのです。
3. 「高齢になってから加入すれば大丈夫」という誤解
若いうちは元気だから保険は不要と考える人が多いですが、実際は若くても突然の事故や病気で高額な治療費がかかることがあります。
加入率は年々上昇している
日本のペット保険市場は急成長しており、加入率は年々上昇しています。
・2022年:約9.4%
・2024年:約21.4%
わずか2年で加入率が2倍以上に増えています。背景には、以下の要因があります。
・ペット保険の認知度向上
・ペットの高齢化(犬の平均寿命:約14歳、猫:約15歳)
・動物医療の進歩による治療費の高額化
・ペットを家族として大切にする意識の高まり
ペット保険とは
ペット保険は、ペットが病気やケガをした際の動物病院での診療費を補償する保険です。
人間の健康保険との違い
人間には公的医療保険(健康保険)があり、診療費の7割が保険でカバーされ、自己負担は3割で済みます。
しかし、ペットには公的医療保険がありません。動物病院での診療費は全額自己負担です。
さらに、動物病院は自由診療のため、同じ治療でも病院によって費用が大きく異なります。初診料が無料の病院もあれば、1万円以上かかる病院もあるのが実態です。
ペット保険の仕組み
月々の保険料を支払うことで、動物病院での診療費の一部を保険会社が補償してくれます。
補償割合:50%、70%、90%、100%など(プランによる)
例えば、70%補償のプランに加入していて、治療費が10万円かかった場合:
・保険会社が負担:7万円
・自己負担:3万円

ペットの治療費はどれくらいかかる?
具体的に、ペットの治療費がどれくらいかかるのか見ていきましょう。
年間診療費の平均
犬(12歳):年間平均 約20万9,952円
猫:年間平均 約10万円〜15万円
高齢になるほど、診療費は高くなる傾向があります。
高額な治療費の例
骨折の手術:20万円〜40万円
誤飲による手術:15万円〜30万円
がんの治療:50万円〜100万円以上
心臓病の治療:30万円〜100万円以上
椎間板ヘルニアの手術:30万円〜80万円
長期の入院や手術が必要な場合、診療費が100万円近くに及ぶこともあります。
治療費の実例

実例1:トイプードル(3歳)が誤飲
内視鏡手術で異物除去:28万円
保険なし→全額自己負担:28万円
保険あり(70%補償)→自己負担:8万4,000円
実例2:ミックス猫(8歳)が慢性腎不全
通院・検査・投薬(年間):35万円
保険なし→全額自己負担:35万円
保険あり(70%補償)→自己負担:10万5,000円
実例3:柴犬(10歳)が椎間板ヘルニア
手術・入院(5日間):60万円
保険なし→全額自己負担:60万円
保険あり(70%補償)→自己負担:18万円
ペット保険の補償内容
ペット保険の補償内容は、大きく分けて3つあります。
1. 通院補償
動物病院に通院した際の診療費を補償します。
補償例:
・診察料
・検査費用
・薬代
・処置費用
限度額:1日あたり1万円〜1万5,000円、年間20日〜30日まで(プランによる)
2. 入院補償
入院が必要になった際の費用を補償します。
補償例:
・入院費
・入院中の検査費用
・入院中の処置費用
限度額:1日あたり1万円〜3万円、年間20日〜60日まで(プランによる)
3. 手術補償
手術が必要になった際の費用を補償します。
補償例:
・手術費
・麻酔費
・術前術後の検査費用
限度額:1回あたり10万円〜30万円、年間1回〜3回まで(プランによる)
補償されないもの
以下は一般的に補償されません。
・予防接種(ワクチン)
・健康診断
・避妊・去勢手術
・妊娠・出産に関する費用
・歯石除去など予防的な処置
・先天性疾患(加入前から判明している場合)
・待機期間中の病気

ペット保険のメリット
1. 高額な治療費の負担が軽減される
最大のメリットは、突然の高額な治療費に対する経済的な備えができることです。50%〜70%の補償があれば、自己負担は半分以下になります。
2. 治療の選択肢が広がる
治療費を気にせず、ペットにとって最善の治療を選べるようになります。保険がないと、費用面で諦めざるを得ない治療もあります。
3. 動物病院に行きやすくなる
「少し様子を見よう」と我慢せず、おかしいと思ったらすぐに受診できます。これは病気の早期発見・早期治療につながり、結果的にペットの健康寿命を延ばすことにもなります。
実際、ペット保険に加入した人の約60%が1年以内に保険金を請求しています。これは、保険に加入することで動物病院の受診ハードルが下がっている証拠です。出典:アイペット損保
4. 窓口精算が可能な保険もある
一部の保険では、動物病院の窓口で保険証を提示すれば、自己負担分だけの支払いで済みます(窓口精算)。後日の保険金請求手続きが不要で便利です。
5. 付帯サービスが充実
保険会社によっては、以下のような付帯サービスがあります。
・24時間獣医師に電話相談できる
・ペットが迷子になった時の捜索サポート
・ペットホテルやトリミングの割引
・しつけ相談

ペット保険のデメリット
1. 保険料がかかる
月々の保険料が家計の負担になります。
保険料の目安(犬・小型犬・0歳・70%補償の場合):
月額2,000円〜4,000円程度
年間で2万4,000円〜4万8,000円、10年で24万円〜48万円の支払いになります。
2. 使わなければ掛け捨て
ペット保険は掛け捨て型です。病気やケガをしなければ、保険料は戻ってきません。
3. 高齢になると保険料が上がる
ペットの年齢が上がるにつれて、保険料も上昇します。10歳を超えると、月額1万円以上になることもあります。
4. 加入できる年齢に制限がある
多くの保険会社では、新規加入は7歳〜12歳までという年齢制限があります。高齢になってから「やっぱり入りたい」と思っても、加入できない場合があります。
5. 待機期間がある
保険に加入してから一定期間(15日〜30日程度)は「待機期間」として、病気の補償が受けられません。ケガは初日から補償されることが多いです。
ペット保険は必要?30秒セルフ診断
当てはまる項目にチェックを入れてください。チェックが多いほど、ペット保険の優先度は高めです。
- 突然の治療費20万〜50万円が発生すると家計的に痛い
- 「費用が理由で治療を迷う」状況は避けたい(最善の治療を選びたい)
- 夜間救急・精密検査・手術なども選択肢に入れたい
- 共働きで、後日の請求手続きより窓口精算の方が助かる
- 多頭飼い(2頭以上)で、通院回数が増えやすい
- 留守番が多い/誤飲・事故のリスクが心配
- 将来のシニア期(7歳以降)の医療費増が不安
- ペット用の医療費として、すでにまとまった貯蓄(例:30〜100万円)が用意できていない
診断結果の目安
✅ 0〜2個:積立(自分で備える)でも成立しやすい。
✅ 3〜5個:保険と積立の“併用”が相性◎(例:入院・手術のみ+積立)。
✅ 6個以上:保険優先度高め(通院あり+70%補償など“使いやすい型”が候補)。

ペット保険が必要な人・不要な人
必要な人
・突然の高額な治療費を支払う貯蓄がない
・費用を気にせず、ペットに最善の治療を受けさせたい
・多頭飼いをしている
・病気になりやすい犬種・猫種を飼っている(トイプードル、ダックスフンド、スコティッシュフォールドなど)
・ペットが若い(若いうちに加入すると保険料が安い)
・安心感が欲しい
不要な人
・高額な治療費がかかっても問題ない貯蓄がある(100万円以上)
・ペットが高齢で保険料が非常に高い
・持病があり、加入できる保険が限られる
・保険料を支払うより、自分で毎月積み立てたい
ペット保険の選び方
ペット保険を選ぶ際のポイントを解説します。
| プラン | 何が強い | 弱い | 向く人 |
|---|---|---|---|
| 通院+入院+手術 | 日常の通院〜高額治療まで | 保険料は上がる | 迷ったらこれ |
| 入院+手術のみ | 大きい事故/病気に集中 | 通院が自己負担 | 健康で貯蓄もある |
| 70%補償 | バランス | 自己負担は残る | 一般的に選びやすい |
| 90%/100% | 自己負担が少ない | 保険料高い | 安心優先 |
1. 補償割合を選ぶ
50%補償:保険料が安い。自己負担は半分。
70%補償:最も人気。バランスが良い。
90%・100%補償:自己負担がほぼない。保険料は高い。
価格.comの調査では、70%補償が選ばれる傾向にあるようです。
2. 通院補償の有無を確認
「手術・入院のみ」のプランは保険料が安いですが、通院が補償されません。
実際には、通院で細かく費用がかかることも多いため、通院補償ありのプランがおすすめです。価格.comの調査では、約8割の人が通院補償ありを選んでいます。
3. 年間補償限度額を確認
年間で補償される金額の上限です。
年間補償限度額の例:
・50万円
・70万円
・100万円
・150万円
・無制限
高額な治療が複数回必要になる可能性を考えると、70万円以上が安心です。
4. 免責金額の有無を確認
免責金額とは、自己負担しなければならない金額のことです。
例えば、免責金額が3万円の場合、治療費が3万円以下なら保険金は支払われません。治療費が10万円なら、3万円を差し引いた7万円が補償対象になります。
免責金額がある保険は保険料が安いですが、小さな通院費用は自己負担になります。
5. 窓口精算の有無を確認
窓口精算対応の保険なら、動物病院で自己負担分だけ支払えば完了します。後日の保険金請求手続きが不要で便利です。
窓口精算対応の主な保険会社:
・アニコム損保
・アイペット損保
| 方式 | その場の支払い | 手続き | 向く人 |
|---|---|---|---|
| 窓口精算 | 自己負担分だけ | 少ない | 忙しい/手続き苦手 |
| 後日請求 | いったん全額 | 申請が必要 | ネット手続き慣れ |
6. 継続可能年齢を確認
ほとんどの保険は終身継続可能ですが、一部の保険では更新に年齢制限があります。継続可能年齢を確認しておきましょう。
7. 特約を確認
ペット賠償責任特約:ペットが他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりした場合の賠償責任を補償。
ただし、火災保険や自動車保険の「個人賠償責任特約」でカバーされている場合、重複するため不要です。事前に確認しましょう。
8. 多頭割引を活用
複数のペットを飼っている場合、2頭目以降の保険料が割引される「多頭割引」がある保険会社もあります。

おすすめのペット保険
以下は、人気の高いペット保険です(2026年最新)。
アニコム損保「どうぶつ健保ふぁみりぃ」

特徴:窓口精算対応、全国約6,600の動物病院で利用可能
補償割合:50%、70%
おすすめな人:窓口精算を重視する人
アイペット損保「うちの子」

特徴:窓口精算対応、年間補償限度額が高い
補償割合:50%、70%
おすすめな人:手厚い補償が欲しい人
楽天損保「スーパーペット保険」

特徴:疾病補償数が多い、楽天ポイントが貯まる
補償割合:70%
おすすめな人:楽天ユーザー、ネット手続きが得意な人
FPC「フリーペットほけん」

特徴:保険料が安い、シンプルな補償内容
補償割合:50%、70%
おすすめな人:保険料を抑えたい人
よくある質問(FAQ)
Q1:いつ加入すればいい?
A:できるだけ若いうち(0歳〜3歳)に加入するのがおすすめです。保険料が安く、健康なうちなら審査も通りやすいです。
Q2:既往症がある場合は加入できない?
A:加入前に判明している病気(既往症)は補償対象外になることが多いですが、保険自体には加入できる場合もあります。保険会社に相談しましょう。
Q3:保険料は一生変わらない?
A:いいえ。ペットの年齢が上がるにつれて、保険料も上がります。10歳を超えると大幅に上がることが多いです。
Q4:複数のペットを飼っている場合は?
A:それぞれに保険をかける必要があります。多頭割引がある保険会社を選ぶとお得です。
Q5:ペット保険に入らず、自分で貯金するのはどう?
A:月々の保険料相当額を貯金する方法もあります。ただし、加入直後に高額な治療が必要になった場合、貯金では間に合わないリスクがあります。

まとめ:ペット保険は必要か
ペット保険が必要かどうかは、飼い主の経済状況やペットの健康状態、考え方によって異なります。
ペット保険が必要な理由:
・動物病院の治療費は全額自己負担で高額
・突然の病気やケガで100万円近い治療費がかかることもある
・保険があれば、費用を気にせず最善の治療を選べる
・加入者の約60%が1年以内に保険金を請求している
不要と考えられる場合:
・高額な治療費を支払える十分な貯蓄がある
・ペットが高齢で保険料が非常に高い
日本のペット保険加入率は約21.4%とまだ低いですが、年々上昇しています。「入っていて良かった」と感じる飼い主が多いのも事実です。
大切なのは、ペット保険の内容を理解した上で、「自分のペットに必要かどうか」をきちんと見極めることです。
ペットは大切な家族の一員です。万が一の時に後悔しないよう、ペット保険への加入を真剣に検討してみてはいかがでしょうか。複数の保険を比較検討し、自分とペットに合った保険を選びましょう。
ペット保険を検討する際は、ペットの飼育費用全体も把握しておくことが重要です。犬・猫の初期費用や毎月の出費、生涯費用については、こちらの記事も参考にしてください。
▸ペットを飼う前に知っておきたい費用まとめ