2026年2月、インフルエンザが再び猛威を振るっています。厚生労働省の最新データ(2月2日〜8日)によると、全国の定点医療機関あたりの報告数は43.34人と、前週の約1.4倍に急増しました。特に注目すべきは、今シーズン2度目の警報レベル到達です。東京都では1999年の統計開始以来初めて、1シーズンに2度警報基準を超えるという異例の事態となっています。
今回の流行の特徴は、B型インフルエンザが中心となっていることです。この記事では、2026年2月時点の最新状況と、今からできる予防・対策について詳しく解説します。
※本記事は2026年2月第2週時点の公表データを基に作成しています。
2026年2月のインフルエンザ流行状況
まず、現在の流行状況を正確に把握しましょう。
全国の患者数が急増
厚生労働省の発表によると、2月2日〜8日の1週間で、全国の定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者数は164,744人。1医療機関あたり43.34人で、前週(30.03人)から約1.4倍に増加しました。
警報レベルとされる「定点あたり30人」を超えている都道府県は33県に達し、全国的に流行が拡大しています。
地域別の状況
| 地域 | 定点あたり報告数 | 警報基準超え |
|---|---|---|
| 鹿児島県 | 74.82人 | 超過 |
| 大分県 | 69.67人 | 超過 |
| 千葉県 | 62.69人 | 超過 |
| 東京都 | 警報基準再到達 | 異例(2回目) |
定点あたり報告数が最も多いのは鹿児島県で74.82人、次いで大分県69.67人、千葉県62.69人と続きます。九州、四国、関東で特に流行が深刻です。
東京都では、1月26日〜2月1日の週に再び警報基準を超えました。同シーズン内に2度警報が出るのは、1999年の現行統計開始以来初めての事態です。
学級閉鎖が1万施設超
インフルエンザによる学級閉鎖、学年閉鎖、休校の措置を取っている施設数は1万を超えています。特に小学校での集団発生が顕著で、子どもたちの間で急速に感染が広がっています。
今シーズンの特徴:B型が主流に
2025-2026年シーズンのインフルエンザは、他のシーズンとは異なる特徴があります。
二段階の流行パターン
今シーズンは、11月に一度警報レベルに達した後、12月に一旦減少し、年明けから再び急増するという異例のパターンを示しています。
第一波(11月)はA型(H1N1)が中心でしたが、現在の第二波ではB型が主流となっています。東京都のデータでは、1月26日〜2月1日に報告されたウイルスの約90%がB型でした。
A型とB型の違い
| 項目 | A型 | B型 |
|---|---|---|
| 主な流行時期 | 12〜1月 | 1〜3月 |
| 症状の強さ | 強いことが多い | やや軽い傾向 |
| 消化器症状 | 少なめ | 出やすい |
| 変異 | 多い | 少ない |
インフルエンザにはA型、B型、C型がありますが、流行するのは主にA型とB型です。

A型の特徴:
・高熱(38〜40度)が出やすい
・症状が急激に現れる
・関節痛、筋肉痛が強い
・流行時期は12月〜1月が中心
・変異しやすく、大流行を起こしやすい
B型の特徴:
・A型よりやや症状が軽いことが多い
・消化器症状(腹痛、下痢、嘔吐)が出やすい
・流行時期は1月〜3月が中心
・変異しにくいが、2系統(山形系統とビクトリア系統)が存在
ただし、「B型は軽い」というのは一般論であり、個人差があります。B型でも重症化することはあるため、油断は禁物です。
同じシーズン内で再感染の可能性
重要なのは、今シーズン既にA型にかかった人でも、B型に感染する可能性があるということです。「もうインフルエンザにかかったから大丈夫」と思わず、引き続き予防対策を続けましょう。
なぜ2月に再流行しているのか
通常、インフルエンザは1月にピークを迎え、2月以降は減少傾向になります。なぜ今年は2月に再び増加しているのでしょうか。
B型の流行時期
B型インフルエンザは、A型より遅い時期に流行する傾向があります。A型が12月〜1月にピークを迎えるのに対し、B型は1月〜3月が流行の中心です。
今シーズンは11月にA型が流行した後、年明けからB型が増加するという典型的なパターンになっています。
気温差と乾燥
2月は三寒四温で気温差が大きく、体調を崩しやすい時期です。また、太平洋側を中心に空気が乾燥しやすく、インフルエンザウイルスが活動しやすい環境が続いています。
湿度が低いと、のどの粘膜の防御機能が低下し、ウイルスに感染しやすくなります。
生活の変化
年明けから学校や仕事が再開し、人の接触機会が増えたことも、感染拡大の一因です。特に学校は集団生活の場であり、一人が感染すると瞬く間に広がります。
インフルエンザの症状と見分け方

インフルエンザと風邪を見分けるポイントを知っておきましょう。
インフルエンザの主な症状
・突然の高熱(38度以上)
・全身のだるさ、倦怠感
・関節痛、筋肉痛
・頭痛
・のどの痛み
・咳、鼻水
・悪寒
・B型の場合:腹痛、下痢、嘔吐などの消化器症状
風邪との違い
風邪は症状が徐々に現れ、鼻水や咳が中心です。発熱も37度台が多く、全身症状は軽めです。
一方、インフルエンザは症状が急激に現れ、高熱と強い全身症状が特徴です。「昨日まで元気だったのに、今朝突然高熱が出た」という場合は、インフルエンザの可能性が高いです。
すぐに医療機関を受診すべきサイン
| 症状 | 緊急度 |
|---|---|
| 呼吸困難・胸痛 | すぐ受診 |
| 意識障害・けいれん | 救急要請 |
| 水分摂取不可 | 早期受診 |
| 高熱のみ | 翌日受診可 |
以下の症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
・呼吸困難、息切れ
・胸痛
・意識がもうろうとする
・けいれん
・水分が取れない、尿が出ない
・高齢者、乳幼児、妊婦、持病がある方
特に子どもの場合、インフルエンザ脳症のリスクがあります。異常行動(突然走り出す、意味不明なことを言うなど)が見られたら、すぐに受診しましょう。
今すぐできる予防対策

インフルエンザを予防するために、今日からできることを実践しましょう。
1. 手洗い・手指消毒の徹底
最も基本的で効果的な予防法が手洗いです。外から帰った時、食事の前、トイレの後など、こまめに石鹸で手を洗いましょう。
正しい手洗いの方法は、石鹸を使って30秒以上、手のひら、手の甲、指の間、爪の間、手首までしっかり洗うことです。アルコール消毒も併用すると、より効果的です。
2. マスクの着用
人混みや電車など、人が多い場所ではマスクを着用しましょう。マスクは自分が感染しないためだけでなく、他人にうつさないためにも重要です。
咳やくしゃみが出る時は、必ずマスクを着用するか、ティッシュやハンカチで口と鼻を覆う「咳エチケット」を守りましょう。
3. 室内の湿度管理
室内の湿度を50〜60%に保つことで、ウイルスの活動を抑え、のどの粘膜の防御機能を保てます。加湿器を使うか、濡れタオルを室内に干すだけでも効果があります。
ただし、加湿しすぎるとカビやダニの原因になるため、60%を超えないよう注意しましょう。
4. 十分な睡眠と栄養
体の免疫力を高めることが、最も根本的な予防策です。1日7〜8時間の睡眠を確保し、バランスの良い食事を心がけましょう。
特にビタミンC、ビタミンD、タンパク質をしっかり摂ることで、免疫力が向上します。
5. 人混みを避ける
流行期には、できるだけ人混みへの外出を控えましょう。特に高齢者、乳幼児、持病がある方、妊婦は注意が必要です。
やむを得ず外出する場合は、マスク着用と手洗いを徹底してください。
6. 室内の換気
寒いと窓を閉め切りがちですが、定期的な換気が重要です。1〜2時間に1回、5〜10分程度窓を開けて空気を入れ替えましょう。
換気により、室内のウイルス量を減らすことができます。
インフルエンザワクチンは今からでも有効?

「もう2月だけど、今からワクチンを打っても間に合う?」という疑問を持つ方もいるでしょう。
今からでも接種する意味はある
インフルエンザワクチンは、接種後2週間ほどで効果が現れ、約5か月間持続します。2月に接種すれば、3月末まで効果が期待できます。
B型インフルエンザはこれから3月にかけて流行が続く可能性があるため、まだワクチンを打っていない方は、今からでも接種を検討する価値があります。
ワクチンの効果
インフルエンザワクチンは、感染を完全に防ぐものではありません。しかし、感染しても重症化を防ぐ効果があります。
特に高齢者や持病がある方は、重症化リスクが高いため、ワクチン接種が推奨されます。
もしインフルエンザにかかったら
予防を心がけていても、感染してしまうことはあります。その場合の対処法を知っておきましょう。

早めに医療機関を受診
高熱や強い全身症状が出たら、早めに医療機関を受診しましょう。発症から48時間以内に抗インフルエンザ薬を服用すれば、症状を軽減し、回復を早められます。
ただし、発症直後(12時間以内)は、検査で陽性にならないこともあります。症状が出てから12〜24時間後の受診が理想的です。
抗インフルエンザ薬
主な抗インフルエンザ薬には以下があります。
タミフル(オセルタミビル):カプセルまたはドライシロップ。1日2回、5日間服用。A型・B型両方に効果がある。
ゾフルーザ(バロキサビル):錠剤。1回の服用で済む。B型にも効果があるが、薬価が高い。
リレンザ(ザナミビル):吸入薬。1日2回、5日間使用。吸入が難しい小さな子どもや高齢者には不向き。
イナビル(ラニナミビル):吸入薬。1回の吸入で済む。
どの薬を選ぶかは、医師と相談して決めましょう。
自宅での療養
・安静にして十分な休養を取る
・水分を十分に摂る(経口補水液、スポーツドリンク、お茶など)
・部屋を加湿する
・家族と別室で過ごし、マスクを着用する
・発症後5日間、かつ解熱後2日間(子どもは3日間)は外出を控える
家族への感染を防ぐ
インフルエンザは感染力が非常に強いため、家族への感染を防ぐ配慮が必要です。
・別室で過ごす
・看病する人を限定する
・看病する人はマスクを着用
・患者が使ったティッシュはすぐにビニール袋に入れて密封
・ドアノブなど、患者が触れた場所をアルコールで消毒
・タオルや食器を共用しない
インフルエンザに関するQ&A
Q: インフルエンザとコロナは同時にかかる?
A: はい、インフルエンザとコロナに同時感染する可能性があります。「フルロナ」と呼ばれ、症状が重くなるリスクがあります。どちらも予防策は似ているため、手洗い、マスク、換気を徹底しましょう。
Q: 解熱剤は使っていい?
A: アセトアミノフェン(カロナールなど)は安全に使用できます。しかし、アスピリンやイブプロフェンなど一部の解熱剤は、子どもの場合、ライ症候群などの合併症を起こす可能性があるため、使用前に医師や薬剤師に相談してください。
Q: 予防接種を受けたのにかかった。意味がないのでは?
A: ワクチンは100%の予防効果はありませんが、重症化を防ぐ効果があります。ワクチンを打っていなければ、もっと重い症状になっていた可能性があります。
Q:インフルエンザB型は何日で治る?
A:一般的に発熱は3〜5日、全体の症状は1週間程度で改善します。ただし倦怠感は2週間程度続くこともあります。
Q:インフルエンザはいつまで流行する?
A:B型は3月頃まで続く傾向があります。地域によっては4月上旬まで散発的に発生します。
Q:学校は何日休む必要がある?
A:発症後5日かつ解熱後2日(子どもは3日)経過するまで出席停止となります。
まとめ:油断せず対策を続けよう

2026年2月現在、インフルエンザは再び警報レベルで流行しており、特にB型が増加しています。「もう2月だから大丈夫」と油断せず、3月まで引き続き予防対策を続けることが重要です。
手洗い、マスク着用、室内の湿度管理、十分な睡眠と栄養摂取。これらの基本的な対策を徹底することで、感染リスクを大きく下げられます。
もし発熱や強い全身症状が出たら、早めに医療機関を受診しましょう。早期治療により、回復が早まり、周囲への感染拡大も防げます。
インフルエンザは誰でもかかる可能性がある身近な感染症です。正しい知識を持ち、適切な予防と対処を心がけることで、この流行期を乗り切りましょう。あなたと大切な人の健康を守るために、今日から実践できることを始めてください。